一方、フォード陣営トップチームのチーム・ペンスキーで、22号車フォード・マスタングをドライブするベテラン、ジョーイ・ロガーノは「クルマに必要なことや走り方、スピードなど、すべてが変わったわけじゃない。だから間違いなく“経験”にはつねに利点がある」と、新規定車両の感触を語った。

「昨夜、このクルマのセットアップ方法について話し込んでいたんだ。フェニックスはあくまでフェニックスで(2月20日の開幕戦デイトナでは)別のクルマになるかもしれないが、過去15年間に学んだことは必ずそこにあるはずだ」と続けたロガーノ。

「何もかもがすぐに変わるわけじゃないが、しかし自分自身がもし“新人”になるつもりなら、今がその時だろうね。なぜなら、いくつかのものが少し洗い流されてしまうからね。だから僕は不利な立場にあるとは感じていない。経験の少ないドライバーよりも、確実に有利だと感じているよ」

 そうしたコメントも受け、前出のプロブストは「若いドライバーたちが『レースをするのが待ち切れない』と話すのは素晴らしいこと」だと、新規定導入の効果を口にした。

「初期のシャーロット・テストでは下から数えた方が早いような位置を走っていた小さなチームも、今日最初のプラクティスでは2番手を記録するような勢いを披露した。一方で(差を詰められた)ベテランたちは『なぜ彼らがそこにいる? 最後尾付近にいたはずだろ』という顔をする。良い面もあれば、悪い面もあるだろうね」

 そのNASCARでシニアバイスプレジデント兼チーフレーシングデベロップメントオフィサーを務めるスティーブ・オドネルは、次世代レースカーへの違反に対する罰則に関して「新しい抑止モデル」を制定し、チームは引き続き規則違反に対して、レベルL1~L3の階層化されたシステムのもとでペナルティが課せられることを明らかにした。

「このNext-Gen車両は、トラックでのパフォーマンスと、チーム、ドライバー、ピットクルーの比類のない能力を強調するよう設計された共同プロジェクトでもある。そのデザインに反して走るチームには強いペナルティが課せられ、ファンはドライバーとNASCARに期待される素晴らしいレースに集中することができるだろう」と語ったオドネル。その内訳は、以下のとおりだ。

■2022年NASCARカップシリーズ『Next-Gen規約』違反罰則・改訂版

カテゴリー 内容 罰則
L1 レース後車検・最低重量違反/主要部品規定違反/部品の提出および承認プロセス違反 ・20~75点剥奪(1~10点剥奪/プレーオフ)
・1~3戦のクルーメンバー出場停止(1名)
・25,000~100,000ドル(約290~1150万円)の罰金
L2 Next-Gen指定部品の改造/エンジンシール要件への違反/エンジン制御システムの配線に対する未承認の変更/未承認の車載電子機器の使用 ・75~120点剥奪(10~25点剥奪/プレーオフ)
・4~6戦のクルーメンバー出場停止(1~2名)
・100,000~250,000ドル(約1150~2880万円)の罰金
L3 Next-Gen指定部品の偽造または変更/エンジン違反と性能向上/ECUまたはEFI違反/タイヤまたは燃料の変更/プライベーター・テストポリシー違反 ・120~180点剥奪(25~50点剥奪/プレーオフ)
・6戦のクルーメンバー出場停止(1~2名)
・250,000~500,000ドル(約2880~5760万円)の罰金
・ポストシーズン参加資格剥奪、チームの1レース出場停止(ハイレベル違反が繰り返された場合)

トヨタ陣営のエース、Joe Gibbs Racing(ジョー・ギブス・レーシング)のカイル・ブッシュも周回を重ねた
「経験の少ないドライバーよりも、確実に有利だと感じている」と語ったジョーイ・ロガーノ
カート・ブッシュの僚友となるバッバ・ウォレス。「このクルマはとてもトリッキーだが、最初の5戦で良い対話と関係が築けるだろう」

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