DTMがこのオフに取り組む必要があるホットなトピックのひとつは、トラック上の順位に影響を与えるチーム(メーカー)オーダーについてだ。

 2021年、ノリスリンクにおけるシーズンフィナーレでは、メルセデスAMGからオーダーが発令された結果、マキシミリアン・ゲーツがレースに勝利し、チャンピオンシップを獲得した。

 エントラントとの協議、そしてファンからの激しい抗議を経て、2022年シーズンにおいては、チームまたはメーカーオーダーを実行したことが証明された当事者に対し、DTMは除名・追放することがあると発令している。

「非常に多くのメールや電話があり、ファンが本当に気にかけていることがわかった」とエスルナーはノリスリンクでの2021年最終戦への反応を振り返る。

「我々は、常にファンの側にいる。我々にとって、そして我々のシステムにおいて、ファンは非常に重要な存在だ。我々は観客と、テレビ視聴者に大きく依存している」

「それが我々に圧力をかけたわけではないが、我々がしなければならにことをさらに明確にした。ファンがパドックから離れるのは望ましくない」

「そのようなフィードバックを受け取った場合、誰も気にしていない状態よりも、それらに対応することは難しくなる。ファンのためになればと思う」

「我々は物事を明確にするために、声明を出すことに本当に集中していた。このようなことで誰かを失いたくはないので、我々は間違いなくそれ(チームオーダー)に目を向けてきた」

■フェラーリとメルセデスに有利だったルールを改定

 もうひとつの重要なルール調整は、ピットストップ作業法の強制に関してだ。

 これは昨シーズン、フェラーリとメルセデスAMGにおいて、(ホイールとナットが一体となっている)そのホイールのロック機構を利用して、ピットタイムを削減していた状況に対処するためのものだ。

 これらの車両の場合、メカニックはまずフロント(またはリヤ)のホイールナットを緩める。このメカニックがインパクトレンチを持ったままリヤ(フロント)へと走ってタイヤ交換作業を行っている間に、別のメカニックがフロントホイールを外して、新たなホイールを装着。リヤの交換を終えたインパクトレンチ担当が再びフロントへと戻り、ナットの締め付けを行うというものだ。

 ホイールナットが別体となる他メーカーの車両では、最初のホイールを完全に交換してからでないともう1輪の作業にとりかかれなかったため、フェラーリとメルセデスAMGを使用するチームだけが上記のプロセスを採用して作業時間を節約することができていた。

 2022年はルール改定により、タイヤ交換担当者はリヤから作業を始め、その後フロントを交換するように定められた。これにより公平さが生まれるだけでなく、作業終了をドライバーが目視できることから、安全性も高められるという。さらに、エアジャッキのオペレーターは、タイヤ交換ヘルパーを兼任することが許されなくなった。

「2022年の規則では、ピットストップ作業に関わることができるのは4人だけだ」とエルスナーは説明する。

「つまり、車両の左右にふたりずつがいて、そのうちひとりずつが独占的にインパクトレンチを保持する。彼らはリヤから作業を開始し、タイヤを完全に交換してから、フロントへと移らなければならない」

「(昨年のルールにおける)アドバンテージは小さなものではあったが、いまはそれは完全に消滅した。誰もがリヤからフロントに向かい、同じ動きをするようになる。各車両の間で、これは可能な限り同等でなければならない」

 さらなるルールの変更には、必要に応じたフルコース・イエローのデプロイと、各レースウイークの第2レースからのニュータイヤのセット数の追加がある。また、各レースで最速ラップをマークしたドライバーには、チャンピオンシップで1点が付与される。

本日のレースクイーン

朝倉咲彩あさくらさあや
2025年 / スーパーGT
RUNUP CLOVER VELICA
  • auto sport ch by autosport web

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

  • auto sport

    auto sport 2025年6月号 No.1608

    [特集]レッドブル 角田裕毅
    5つの進化論

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円