すると残り9周で第2戦ウイナーの2020年チャンピオン、チェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)がバックストレッチでコントロールを失い、そのコーションが開けると残り3周での“ラスト・スプリント”に。
ターン1、ターン2でうまく後続を引き剥がすことに成功したブリスコがそのままトップチェッカーを受け、今季開幕4戦の活躍でカップシリーズ『台風の目』になったチャスティンと、タイラー・レディック(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)を従え、ブリスコはスチュワート・ハース・レーシングとの初優勝、新車両規定“Next-Gen”での最初の勝利を手にした。
「本当に信じられない! 最後のラップは1周を走っているあいだずっと涙が止まらなかった。これは間違いなくチームの勝利だ。ここまで僕を連れてきたみんなに感謝を捧げなくてはならない」と、勝利の喜びを語ったブリスコ。
「7年前、僕は自分のキャリア自体を諦める準備をしていたが、チームがチャンスを与えてくれたんだ。この世界を代表するヒーローみたいなチームに加入し、彼らのクルマをドライブできるだけでも本当に幸せだった。この#14を勝利の道筋に戻せたなんて……僕を信じてくれた全員に感謝したい。信じられないよ!」
一方、2020年創設の若い組織ながら、今季から昇格した最高峰シリーズで存在感を示すトラックハウス・レーシング・チームについて、チームのリードドライバーを務めるチャスティンは「僕らは決して『弱者』ではない」と、今後の可能性について自信を見せた。
「もちろん僕らには勝利の経験がなく、ファクトリーにはトロフィーケースもない。でも(前戦で)ステージウインを記録し、今週は勝利を争って2位に入った。そのことを心から誇りに思う。僕らが準備していた計画は……うん、OK、今は目標よりはるかに高い位置にいるが、すでにステージに勝ったからには、初年度中にレースを制覇するしかないね!」
併催となったNASCARエクスフィニティ・シリーズの第4戦は、最多リードラップを記録しつつ、残り15周で首位奪還を果たしたノア・グラグソン(JRモータースポーツ/シボレー・カマロ)が、惜しくも勝利を逃した前週の借りを返す今季初優勝を決めている。


