更新日: 2022.03.22 16:40
ヘンドリック“第四の男”バイロンが今季初勝利。伏兵チャスティンは連続2位入賞/NASCAR第5戦
最終的にこの日レースをスタートした全37台のうち、28台がアクシデントに巻き込まれるカオスな展開となるなか、その混乱をくぐりぬけステージ1を制していたバイロンが、残り10周時点でダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)からリードを引き継ぐことに成功。トヨタ勢最上位に浮上したベルや、度重なるコーションでマシンリペアのロスタイムを挽回していたチャスティンらを従え、今季5戦目で5人目のウイナーに輝いた。
「この週末は本当に異なる感触で、僕らの知らないアトランタだった」と、決勝を振り返ったカップ通算3勝目のバイロン。
「正直なところ……最後の数周はババ(・ウォレス)とのギャップを管理し、前に出すぎないようにしていたよ。これは僕のスポッターの初勝利でもあるし、チーム全体に感謝したい。“Next-Gen”カーには数多くの変更点があるけれど、シボレーはそこで素晴らしかった。少しスピードウェイが入った中間的なスタイルだったけど、とても楽しかったよ」
一方、バイロンに次いでフィニッシュラインを通過したベルだったが、彼のカムリはバックストレッチの“ダブル・ホワイトライン”を下回ったことで罰せられ、同一周回最後尾の23位に沈むリザルトとなった。
「リプレイは見ていないけど、そこにスペースがあったから(チャスティンのインに)飛び込んだ。彼が降りてきたことは知っているけど、それはいつだって“有り得る”ことさ。僕らのカムリは今日とても速かったし、1年を通じてそれを証明しなくてはならないね」
そしてレース序盤に右リヤタイヤの暴発で「すべてを失ったと思った」チャスティンは、奇跡のカムバックを果たして2戦連続の2位を獲得した。
「この第7世代(Next-Gen)のクルマは、どこからともなくタイヤを吹き飛ばし、クルージングするだけで右後部が吹き飛び壁にヒットすることになる。あの瞬間『今日のレースは終わりだ』と感じたよ」と続けたチャスティン。
「でもクルーが驚異的な作業でトラックに戻してくれて、なんとかドライブできる状態まで仕上げてくれたんだ。シボレーは相変わらず速いし、今日は同じ仲間(シボレーに乗るバイロン)と勝負できて最高だったよ!」
一方、NASCARエクスフェニティ・シリーズの第5戦はラスト・コーションからのスプリントで、ライアン・シーグ(RSSレーシング/フォード・マスタング)の内側にダイブしたタイ・ギブス(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・スープラ)が、ファイナルラップの逆転劇で今季2勝目を飾り、同じく第3戦となったNASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズでは、19歳のチャンドラー・スミス(カイル・ブッシュ・モータースポーツ/トヨタ・タンドラTRD Pro)とのチームメイト対決を制したコーリー・ハイムがシリーズ初優勝。
今季から2台体制を敷く服部茂章のハットリ・レーシング・エンタープライズは、16号車のタイラー・アンクラム(トヨタ・タンドラTRD Pro)が惜しくも最終周でトップ5の攻防に敗れ11位、61号車チェイス・パーディ(トヨタ・タンドラTRD Pro)は14位となっている。