防戦一方の首位チャスティンを突いたアルメンディンガーが、ターン15で前へ出ると、続く右コーナーでボウマンが一気に前を狙う。しかし左切り返しのターン19で、インサイドからのブレーキングバトルを仕掛けたチャスティンがクリッピングを抑えると、弾き出されたアルメンディンガーとアウト側レコードライン上のボウマンが衝突。
2台に挟まれた形のアルメンディンガーはたまらずスピンオフし、ボウマンはランオフに逃れながらもなんとか2番手でコース復帰を果たし、そのままチェッカー。チャスティンが参戦121戦目にして初のカップ戦勝利を手にし、チームにも同様のプレゼントを贈る結果となった。
「本当に正気の沙汰じゃないよ! A.J.のような最高のドライバーのひとりに立ち向かうため──もちろん、彼は腹を立てていると思うけど、僕らはともに激しくレースを戦った。そして彼は僕に借しがひとつできた、ってことさ。カップ戦で勝とうと思えば、勝負から引くことなんてできないんだ」と語った勝者チャスティン。
「もちろん、この(衝突の)結末を頭の中に描いていたわけじゃないけれど、僕は自分がすべきことをしただけだ。僕自身、今でも自分の判断を支持したいと思う」
一方、最終ラップの接触で33位に終わったアルメンディンガーは「1日の終わりには、僕らは皆、鏡で自分自身を見て『OK、今日も大丈夫だった』と言わなくちゃならない」と、ベテランらしい大人の応対でレースを振り返った。
「人それぞれ、誰もが違っている。そして僕はこのカウリグ・レーシングを誇りに思っている。今日のシェビー(カマロ)はとても速かったし、長い目で見れば誰も僕らに触れないだろうね」と続けたアルメンディンガー。
「さっきも言ったように、1日の終わりには、ひとりひとりが快適に行動する必要があり、それは問題ない。カップシリーズで勝つことは本当に難しいが、今日の僕らはそのショットを持っていて、それはかなり素晴らしい日だった。残念ながら、僕らにはあとふたつのコーナーが必要だったね」
2位ボウマンの背後にはクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が3位で続き、4位にチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)、5位レディックのトップ5に。
一方、NASCARエクスフィニティ・シリーズの第6戦はそのアルメンディンガーが今季初勝利を飾り、NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第4戦はわずか11周のリードラップながら、ステージ1、ステージ2、そして最後の2周で先頭走者に躍り出たゼイン・スミス(フロントロウ・モータースポーツ/フォード・F-150)が完勝。服部茂章が率いるハットリ・レーシング・エンタープライズ(HRE)は、16号車のタイラー・アンクラムが接戦の末7位フィニッシュ、61号車チェイス・パーディはスピンを喫しながらも16位となっている。



