さらに4番手コステッキが先頭集団のなかでいち早くピットへ向かった15周目には、SVGが首位ウォーターズの“モンスターエナジー”マスタングに狙いを定め、ヘアピンのインにダイブ。立ち上がりでサイド・バイ・サイドのままボディをぶつけ合った2台は、ターン5まで並走するロングバトルを演じるも、ここでチャンピオンに軍配が上がり、SVG、デイビソン、ウォーターズの順で44周のチェッカー。王者SVGが今季最初の複数勝利を手にした。
明けた日曜午前の予選でも、そのSVGとデイビソンがそれぞれレース2、レース3に向けた予選ポールポジションを分け合うと、週末セカンドヒートではフロントロウ2番手発進だったフィーニーが先輩を出し抜く抜群のスタートで首位に躍り出る。
しかし直後にジャック・ルブローク(マットストーン・レーシング/ホールデン・コモドアZB)とアンドレ・ハイムガートナー(ブラッドジョーンズ・レーシング/ホールデン・コモドアZB)が絡み、バリア修復のためオープニングラップから赤旗が出ると、リスタートでは大先輩がきっちりとやり返し、盤石のトリプルエイトが1-2フィニッシュ。フィーニーはトップカテゴリー昇格4戦目で初のポディウム獲得となり、3位にデビッド・レイノルズ(グローブ・レーシング/フォード・マスタング)が入る結果となった。
フロント部分大破から奇跡の車両修復を果たしたルブロークがフロントロウ2番手に並び、ポールシッターのデイビソンとともに無事スタートを切ったレース3は、そのルブロークがヘアピンでロックアップした間隙を突き、王者SVGがするすると首位浮上に成功。背後にはDJRのエース、アントン・デ・パスカーレ(DJR/フォード・マスタング)が迫るものの、ここからチャンピオンは無線を駆使した“頭脳戦”を展開する。
「僕は終始、リヤ(のタイヤライフ)がないフリをしてラジオで叫び続けたんだ。それで彼らを早くピットインさせて、僕自身はコース上でスパートできるようにね。狙いどおり、彼らは(アンダーカットを狙って)ピットに吸い込まれたよ」と、レース後に振り返った巧者SVG。
「僕らはこうして厳しいコンペティションを続けている。彼らのようなとても速い連中とね。だから、決して悪い方法ではないさ。彼らを打ち負かすのは非常に難しく、もう一度言うがとても速いヤツばかりだからね」
最終的にデイビソン、パスカーレのDJR艦隊を退けたSVGは、4月7~10日にアルバートパークで開催されるF1併催の第3戦『Beaurepaires Melbourne 400』を前に、ランキング2位パスカーレに対し67点ものマージンを築いた。
「これはかなり素晴らしいこと。レッドブル・アンポル・レーシングのメンバーに感謝してもし切れないぐらいだ。週末を通してクルマは本当に良かったし、それだけに、各レースはポテンシャルを最大限に活用して懸命に働かなければならなかった。それができてホッとしているよ」



