義務ピット消化後には3番手でコースに復帰したモスタートが、早めにハードコンパウンドからソフトへとスイッチしアンダーカットを狙っていた2台のシェルVパワーマスタングを追い詰めていく。よりフレッシュなラバーで優位に立ったWAUのエースは、そのままデイビソン、パスカーレを立て続けに仕留め、最終的に7秒以上のマージンを築いて独走での今季2勝目を飾った。
「このカテゴリーで勝つ瞬間は、いつだって素晴らしいんだ! クルマはますます速くなったし(全ヒートでポイント圏外に終わり)失意に沈んだタスマニアのあと、チームのクルー全員とトロフィーを掲げられるのは最高の気分だね」とモスタート。
一方、その後もDJRの2台はソフトタイヤのデグラデーションに苦しみ始め、タイムを大幅に失ったデイビソンは緊急ピットを余儀なくされ、パスカーレはパンクにより完全にエアを失ったタイヤでフルラップ完了を余儀なくされ万事休す。
この結果2位にはレイノルズが返り咲き、背後の3位にはなんと予選時のレッドフラッグによりタイム計時が叶わず、24番グリッドからの巻き返しを強いられていたSVGが驚異のカムバックを披露。チームの“コール”もハマった王者は、強力なレースペースも活かして最後のポディウムを射止める見事な“リカバリー・ドライブ”を披露した。
明けた土曜に実施された2ヒートでは、まずデイビソンが順当にポール発進を決めたものの、前日にグリッド後方から怒涛のスパートを成功させたトリプル・エイトのチャンピオンが、3番グリッドから悠々と主導権を奪う展開に。
2周目には早々と首位を奪ったSVGは、背後で発生したアンドレ・ハイムガートナー(ブラッド・ジョーンズ・レーシング/ホールデン・コモドアZB)と初代TCR王者ウィル・ブラウン(エレバス・モータースポーツ/ホールデン・コモドアZB)のアクシデントによりセーフティカーが出動する展開にも助けられ、レイノルズとその僚友リー・ホールズワース(グローブ・レーシング/フォード・マスタング)従え、まずは週末最初の勝利を確保した。


