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 幸い天候が回復した午後は参加全28台中(年間エントリー登録は29台)26台がタイム計時を果たすなか、新時代移行の節目にモーターベース・パフォーマンスへの電撃移籍を決めた王者サットンが、午前のヒルをコンマ1秒更新する1分15秒607を記録し、FRからFFへの乗り換えに際して「習熟完了」とでも言わんばかりのトップタイムを刻んでみせた。

 これで総合2番手となったヒルの背後にはロウボトム、シェドンのシビックに挟まれるかたちで、トム・イングラム(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8・トレードプライスカーズ.com/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)が入って4番手に。

 以下、ダン・カミッシュ(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)、アダム・モーガン(カーガッツ・ウィズ・シシリー・モータースポーツ/BMW 330e Mスポーツ)、4冠王者コリン・ターキントン(チームBMW/BMW 330e Mスポーツ)、ダン・ロイド(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8・トレードプライスカーズ.com/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)と並び、現役ラストイヤーのジェイソン・プラト(リッチエナジー・BTCレーシング/FK8型ホンダ・シビック・タイプR)が続くトップ10となった。

 このタイムシートの上位8台は、2020年に記録されたスラクストンのコースレコードを更新するかたちとなり、改めてコスワース・エレクトロニクス社製のTOCAハイブリッド・システムのエクストラパワーが証明されたが、この機構は導入初年度より従来の“サクセスバラスト”に代わる役目も担うことから、改めてその運用方法もアナウンスされている。

 この“P2 off-axis”と呼ばれるシステムは、レースのオープニングラップ終了(セーフティカー後のリスタート時も同様)の2周目から1周当たり最大15秒間の追加パワーを供給。車両が75mph(約120km/h)に到達した段階から利用可能とされた。仮にその速度に達する前にハイブリッドを作動させようとした場合、約2秒間の“ロックアウト”が発生。トラックサイドのファンは、リアウインドウの識別ライトを介してシステムの作動を視認できるという。

 さらにハンデ機能の運用面では、サクセスバラストに代えてチャンピオンシップのスタンディング順に予選時の使用時間を制限する方式を採り、各レースでは選手権順位、または前戦のレース結果に応じて使用可能周回数が制限されることになる。

午前の終了直前には急なにわか雨にも見舞われ、約15分間もトラックが空いたままとなった
今季を現役ラストイヤーとするジェイソン・プラト(Rich Energy BTC Racing/FK8型ホンダ・シビック・タイプR)がトップ10に喰い込んだ
“P2 off-axis”と呼ばれるCosworth Electronics社製のTOCA Hybrid system
新時代移行の節目にMotorbase Performanceへの電撃移籍を決めた王者サットンと、好調を維持するダン・カミッシュ(左)

■TOCA共通ハイブリッド機構(HEMS)運用方法

<予選>
選手権順位 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 11位以下
使用可能秒数(/Lap) 0秒 1.5秒 3秒 4.5秒 6秒 7.5秒 9秒 10.5秒 12秒 13.5秒 15秒
<決勝/17周以下の場合>
選手権順位 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 11位以下
使用不可周回数 10周 9周 8周 7周 6周 5周 4周 3周 2周 1周 なし
<決勝/17周以上の場合>
選手権順位 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 11位以下
使用不可周回数 15周 13周 11周 9周 7周 5周 4周 3周 2周 1周 なし

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