その首位攻防で失速した2台を横目に、ボトムでマシンを安定させスピードを保っていたチャスティンは、わずか0.105秒差で逆転し、オースティン・ディロン(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)とカイル・ブッシュ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)を従えトップチェッカー。スーパースピードウェイの攻防を勝ち切り、待望のオーバル初優勝を手にすることとなった。
「なんてこった! 僕らは何もしなかったに等しい。ただそこに留まっていただけなんだ」と語り、結果的にその位置取りが功を奏した勝者チャスティン。
「僕らはいつもトップに立つのが早すぎてミスを犯し、最後に8人ぐらいの駆け引きでいつもやられてきた。だから『もう2度とそこに行かないぞ! 今日こそ同じ過ちは犯さない』と決めていた。僕はシンプルに『ボトムを維持し続けろ。負けるわけがない』と言い聞かせてラインに留まった。すると彼らはアウト側に上り、目の前に道が開けたんだ!」
4位のラーソン、5位のトゥルーエクスJr.に続き、失意の6位フィニッシュとなったジョーンズは「最後のラップだけ。ここでは典型的な結末さ」と、目の前で逃した勝利を悔やむ言葉を残した。
「今回のレース、そして昨秋のここでも、僕は何度も勝利に近づいた。振り返って見れば、自分もボトムに留まっていれば良かったが、(後続の)彼らがそれほどのスピードでやって来ていることに気づいていなかったんだ」と続けたジョーンズ。
「5号車(ラーソン)を防御するためラインを変えたが、時すでに遅し。結果的に1号車(チャスティン)へのドアを開けたようなものだった。でも今日はレースをリードできてうれしかった。僕は(自身の)43号車をヴィクトリーレーンに導きたいと思っていたし、今日はその日かもしれないと思っていたんだ」
一方、ファイナルラップの“荒廃”を引き起こしたラーソンも、日曜のレースパフォーマンスを結果に繋げられず「失望している」と語った。
「このスーパースピードウェイで、最後のラップまでほぼ完璧な仕事をしたように感じていたんだけどね」と続けたチャンピオン。「一度、ハイラインに行くと見せかけてロウに戻るべきだった。結局ハイに留まり続けたが、おそらく、そこにはほんの少しの経験不足があるんだろうね」
一方のNASCARエクスフィニティ・シリーズ第9戦は、デイル・アーンハートJr.が代表を務めるJRモータースポーツから参戦するノア・グラグソン(シボレー・カマロ)が、その系譜を継ぐ予選ポールシッターのジェフリー・アーンハート(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)を降し、逆転勝利を飾っている。


