更新日: 2022.05.06 17:05
ホンダのジャック・ヤング、アウディのフランコ・ジロラミと両移籍組が勝利/TCRヨーロッパ開幕戦
「追い抜いてからも少しミスをしたけど、その後はラップタイムを管理することに集中した。タイヤやブレーキの摩耗に慣れ、状況が落ち着いて以降は少しプッシュしてギャップを作ったんだ。自分の仕事には非常に満足しているよ」
明けた日曜現地14時15分開始のレース2は、予選トップ10リバースによりオリオラがポールスタートで優位に立つと、そこへ立ちはだかったのが4番手発進だったアウディのジロラミ。
昨季はミケル・アズコナとタイトル争いを展開し、ランキング2位に終わっていたジロラミは、その攻防の最中で後の2冠王者から”ラフファイトに苦言“を呈される場面もあった。
このレースでもスタート早々に2番手へと進出したアウディは、セーフティカー出動によるマージン消失も絡み、7周目にはホームストレートからサイド・バイ・サイドのバトルに持ち込んでいく。数回のコンタクトを繰り返したホンダとアウディは、ターン5のインサイドを奪ったアルゼンチン出身ドライバーが先行してジロラミに軍配が上がり、15周で1.86秒のマージンを得て勝利を手にした。
「ぺぺが僕に満足していないことは理解しているが、彼と一緒に映像を見返してみたいと思っているよ」と振り返った勝者ジロラミ。「最初のコンタクトは彼の方からで、2回目は僕の方から寄せていった。彼には謝りたいと思うし、僕らは友達で不当な争いはしたくないんだ」
一方、2021年創設初年度のTCRサウスアメリカ・シリーズで初代王者に輝いたオリオラは、自身の正当性を主張しつつも「いつか誰かが痛い思いをする」と警告を発した。
「僕はフランコとの戦いで公平だったと思う。彼にスペースを残し、トラックから押し出すような真似はしなかった。でも彼はストレートで僕を押し、クルマを不安定にさせようとしていたんだ」と続けたオリオラ。
「彼のドライビング基準は、このチャンピオンシップには適切ではないと思う。昨年、彼とミケル(・アズコナ)がストレートで何度か接触したのを見ているしね。もちろんツーリングカーでは接触を伴うビッグファイトが当然だが、ストレートで別のマシンを押しやる必要はない」
「今回、全員にドライビング・スタンダードの再確認を要請したよ。誰かがストレートで200km/hの速度で走行中に、ほかの人に触れ続ければいつか大きな痛手を負う。大怪我をする前に目を覚ますべきだ」
この結果、ジロラミが68点で最初のリーダーに立ち、59点のヤングと58点のハルダーが続くオーダーとなったTCRヨーロッパ・シリーズ。続く第2戦は5月21~22日にフランスのポールリカールで争われる。