更新日: 2022.05.10 18:13
ジロラミ&グエリエリのホンダ・デュオが1-2達成。移籍のアズコナも初優勝/WTCR開幕戦ポー市街地
しかしアタック1発を狙う予選に入ると、市街地コースの表情が一変。多くのドライバーがバリアにキスするアクシデント満載の展開となり、レッドフラッグも掲出されるセッションに。ここでチャンピオンはQ1で左リヤをヒットしてピットへ戻ると、アズコナも最終セクターで壁に張り付き、2度目のアタックを台無しにしてしまう。
さらにQ2開始3分後には、WTCC世界ツーリングカー選手権“最後の王者”でもあるテッド・ビョーク(シアン・パフォーマンス・リンコ&コー/リンク&コー03 TCR)が激しくバリアに衝突し、直後を走行していた僚友マ・キンファやウルティアらがかろうじてこれを回避。ビョークもなんとか自走で離脱したものの、バリア修復の必要性からセッションは1時間近く中断されることとなった。
そんな波乱のセッションで輝いたのが“荒れた路面は大好物”のアルゼンチン勢で、Q3に向け2番手でコースインしたジロラミは、1分19秒783の最速タイムをマーク。僚友グエリエリも0.154秒差でこれに続き、ホンダ・シビックがフロントロウを独占する結果となった。
「素晴らしい仕事をしてくれたチームを祝福したい。リンク&コーの速さと可能性を考えれば、最前列に立つことは本当に困難だったはずだからね」と、クルーの仕事を称えたジロラミ。「その最大の要因は、赤旗のセッション中断による気温の低下だろうね。路面温度も下がったことでシビックはとても良く機能してくれた。間違いなくこれが僕らに有利に働いたんだ」
明けた日曜午後13時過ぎに開催されたレース1は、その前日予選とは一転。暑い状況が多くのドライバーに問題を引き起こすことに。スタートではナサニエル・ベルトン(コムトゥユーDHLチーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)をパスしたイヴァン・ミューラー(シアン・レーシング・リンク&コー/リンク&コー03 TCR)が3番手に浮上し、2台のシビックを追う展開となる。
しかし集団内ではジル・マグナス(コムトゥユー・チーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)が早々にタイヤの問題を訴え、王者エルラシェールはエンジン冷却の必要に迫られ後退。僚友ビョークも技術的な問題により11周でピットインし、修復作業に7周を要する事態に。
こうした追走集団が苦しむ一方、逃げを形成したホンダ艦隊はタイヤやエンジン温度のマネジメントに集中し、ジロラミがライト・トゥ・フラッグでの勝利を獲得。2位にグエリエリが続きALL-INKL.COM・ミュニッヒ・モータースポーツがワン・ツーを決め、3位に“帝王”ミューラーの表彰台となった。