更新日: 2022.05.12 12:56
新生クプラEKS、初代王者マティアス・エクストロームが初日最速からの完全制覇/ETCR開幕戦
「ここへ来て、ようやくクルマにも慣れてきた感じだ。事前テストはあったけれど、そこでは充分にドライブできたとは言えない状況だったからね」と語った元アウディ・ワークスのタンベイ。
「この電動ツーリングカーの世界とフォーマットは非常にエキサイティングだ。すべてが新しく、幸運なことに僕らにはパフォーマンスとペースがあるようだ。昨日は少し間違いを犯したが、僕は自分のいるプールをリードできている。今、もっとも重要なことは、そのトラック上での性能を基礎にスーパーファイナルのための良い戦略を立てることだ。このパワーでこれほど多くの周回をドライブするのは初めてだから、戦略こそが鍵になると思うよ」
その言葉どおり、スーパーファイナル・プール『Fast』でスタートから優位に立ったタンベイは、僚友のブロンクビストを従え快走。背後ではアルファ対決の末にマルタンの先行を許したフィリピが、ヒョンデのベルネイにヒットされスピン。
バリアへの衝突で電気回路の保護機能が作動し、ドライバーを車内に残したまま区間ダブルイエローでセッションが進む波乱もありつつ、勝者タンベイにブロンクビスト、マルタンのトップ3に。4位ベルネイの背後には、トラブルからピットスタートを強いられたミケリスが続く結果となった。
一方、フィリピのトラブルにより、車両をシェアする伏兵ヴェンチュリーニの出場機会が潰えたプール『Furious』スーパーファイナルは、アルファロメオのシュペングラー、ヒョンデのアズコナを抑えたエクストロームがスタートで首位を奪う展開に。
シュペングラーをパスしたのち、高速セクションで首位エクストロームとのギャップを詰めていったアズコナだったが、フィニッシュラインまで貫禄のディフェンスラインを披露したエクストロームが完勝を挙げ、アズコナ、シュペングラーのトップ3となった。
この結果、100ポイントを獲得したエクストロームが週末を制し、92ポイントのタンベイ、79ポイントのブロンクビストと、クプラEKSがスタンディングでも上位を占拠するオープニングとなった。
「クプラとEKSの最初の週末をワン・ツー・スリーで終了することは、夢の結果だね」と、全セッション制覇を達成した初代王者。「エイドリアンとトムも素晴らしい仕事をした。最終的に勝者はひとりだけで、それが僕であることに満足しているけれど、このメンバーでシリーズを戦えるのは本当に心強いよ」と続けたエクストローム。
「この週末、勝負の内容自体は実に僅差で厳しかった。ミケル(・アズコナ)とは良い戦いができたが、彼が僕のチームメイトだった昨年には自分が持てるすべての技術とクラフトを伝授しただけに、なんだか弟とレースをしているように感じたよ(笑)。まだ今季は多くのレースが残っているし、次のイスタンブールも楽しみにしている」
そのFIA ETCR第2戦イスタンブールは、5月20~26日の週末に争われる。