この結果、オースティン・シンドリック(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)がステージ2を制したものの、最終ステージはこの日最多のリードラップ、84周を刻んだブレイニーの独壇場となり、ホワイトフラッグでは2番手のハムリンに対し2秒以上のマージンを築き、悠々クルージング状態に持ち込む。

 しかし、ブレイニーの12号車マスタングがフィニッシュラインに到達しようかという目前でステンハウスJr.がターン2のウォールにブラッシュ。規則上、オールスター戦は「アンダーグリーンでチェッカー」と定められることから、このコーションで延長戦へと突入する。

 しかしレースが終了したと勘違いした首位ブレイニーは、スタンドと歓喜を共有すべくサイドネットを外してしまい、すぐさま無線で指示が飛ぶことに。イエロー中に慌てて復帰を試みたブレイニーだったが、幾分は固定されたものの完全に元通りとはならず。その状態でリスタートに臨んだが、ターン2でなんとかハムリンを抑え、6度目のオールスター挑戦にして自身初の勝利を手にした。

「僕らにとっては心底、肝を冷やす瞬間だった。僕はレースが終わったと思っていて、誰もがスローになったと思いウインドウネットを外したんだ」と苦笑いのブレイニー。

「NASCARには、ピットロードに降りず修復させてくれたことを感謝したい。ああ、それは本当に大変だったよ(笑)。なんとかネットをねじ込んで固定し、そこからリスタートに集中しなきゃいけなかったんだからね。クルマは最高だったし、クルーには心から感謝したい。ポイント獲得の勝負じゃないことは充分に理解しているが、とても楽しかった。派手なパーティになりそうだ」

 併催のNASCARエクスフィニティ・シリーズ第12戦は、今季2度目のスタートとなったレディック(ビッグマシン・レーシングチーム/シボレー・カマロ)が、シリーズ通算10勝目を獲得。同じくNASCARキャンピング・ワールド・トラックシリーズ第9戦は、スチュワート・フリーゼン(ハルマー・フリーセン・レーシング/トヨタ・タンドラTRD Pro)が2019年以来、実に53戦ぶりの勝利を飾り、服部茂章率いるハットリ・レーシング・エンタープライゼスは16号車タイラー・アンクラムが接触からのオーバーヒートでリタイヤ。チェイス・パーディの61号車は最後のリスタートで壁にタッチし、21位でレースを終えている。

ディフェンディングチャンピオンのカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)はバーストからクラッシュ
ディフェンディングチャンピオンのカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)はバーストからクラッシュ
スローとなった18号車カムリを避けきれずロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)が激突
スローとなった18号車カムリを避けきれずロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)が激突
「僕らにとっては心底、肝を冷やす瞬間だった。僕はレースが終わったと思っていて、誰もがスローになったと思いウインドウネットを外したんだ」と苦笑いの勝者ブレイニー
「僕らにとっては心底、肝を冷やす瞬間だった。僕はレースが終わったと思っていて、誰もがスローになったと思いウインドウネットを外したんだ」と苦笑いの勝者ブレイニー
NASCARキャンピング・ワールド・トラックシリーズ第9戦は、52号車スチュワート・フリーゼン(ハルマー・フリーセン・レーシング/トヨタ・タンドラTRD Pro)が2019年以来、実に53戦ぶりの勝利を飾った
NASCARキャンピング・ワールド・トラックシリーズ第9戦は、52号車スチュワート・フリーゼン(ハルマー・フリーセン・レーシング/トヨタ・タンドラTRD Pro)が2019年以来、実に53戦ぶりの勝利を飾った

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