メルセデスAMG・チーム・ゲットスピードのアダム・クリストドーロウは、彼のチームが接近戦となった場合に無理をしない方針でこのレースを戦っていたと説明した。
同チームの3号車メルセデスAMG GT3はトラブルなく走行し、優勝したアウディスポーツ・チーム・フェニックスの15号車アウディR8 LMSエボIIに次ぐ総合2位でフィニッシュした。
「トラック上では当然、ポジションを争わなければならないが、僕たちの今年のアプローチは接触などを極力避け、少し余裕を持たった走りをするというものだった」とクロストドーロウ。
「戦いの中ではサイド・バイ・サイドになることもあるが、(そこで無理はせず)『明日のために戦おう』という考えが間違いなく助けになった思う」
「リスクはつねにあり、できる限りそれを細かくカットしていった。それでもミスは起きるものだ」
「レースのスタート時は、まるで最後の1時間のようだった。正直に言って少し混乱するほどだったよ。当時は上位を走っていたが、あまりいい気分ではなかった。そのときは自分が生き残るために必死だったからね」
一方、優勝したチーム・フェニックスクルーのひとりであるケルビン・ファン・デル・リンデは、序盤の接近戦がニュル24時間において「一般的な傾向」になりつつあると感じている。
「年々、フルワークス仕様の競争力のあるクルマが増えており、リスクを追わざるを得ない状況になっている」と彼は語った。
「(そうした状況下で)1周の間に稼ぎ出せるギャップは最大でも1秒か2秒だ」
「実際にタイムの差を作るのはトラフィックと各チームの戦略になる。(序盤の接近戦は)多くのリスクを背負わせるだけなんだ」

■多くのチームが反省しているはず
KCMGチームのマネージャであるマット・ホーソンは、SP9チームのいくつかは将来の24時間レースで、このような熱狂的なオープニングを避ける方法を検討する必要があると考えている。
KCMGのポルシェ911 GT3 Rは、他の競技車両との度重なるバッシングが原因と思われるエンジンマウントの不具合に遭遇したと彼は言った。
「このレースでは、トラフィックで非常にアグレッシブになる必要があり、誰もがトラックポジションを争っている」と、ホーソンはSportscar365に語った。
「しかし、接触やガードレールへの激突の多さを見ると、少し多すぎると感じた」
「今年の24時間レースの最初の4時間は本当に消耗が激しく、多くのチームがその理由を考え反省していることだろう」
「(最後の段階で)もっと多くのクルマが戦っているべきだったという意味で、最高のスペクタクルではなかったように思う。何が悪かったのか、そしてそれを改善するために何ができるのかを振り返らなければならない」
