「予選も本当にトリッキーだった。最初のアタックでタイヤが故障し、2度目の走行を決めたもののずっと振動に見舞われていた」とFP1でパンク、FP2ではトレッド剥離に見舞われていたミューラー。
「サンティ(僚友のサンティアゴ・ウルティア)やヤン(・エルラシェール)は、ポールポジションを狙うことができる速さがあったが、残念ながらリスクがあるためそれ以上のアタックは控える決断をした」
「明日のレースではまず生き残る必要がありそうだが、現時点で本当にレースを実施できるのか疑問だね。死にたくない、と言わなければならないだろう」
こうして木曜、金曜と続いたトラブルに対し、ワンメイクでコントロールタイヤを供給するグッドイヤーは声明を発表し、影響を受けたチームと協力して同様の事例を軽減する努力を進めるとともに、タイヤ損傷の報告を受けたのは「リンク&コーとホンダのみ」で、アウディ、クプラ、ヒョンデに問題は見られなかったとした。
<以下、グッドイヤー/ステートメント>
「ドイツ・ニュルブルクリンク、ノルドシュライフェでの2022年WTCR Race of Germanyの予選中に、ふたつのメーカー(リンク&コー/ホンダ)からタイヤ損傷の報告を受けました。そのほかの3マニュファクチャラー(アウディ/クプラ/ヒョンデ)からはそうした損傷の事例はレポートを受けていません」
「データを収集するため、テストセッションでは異なる生産バッチのセットを導入しました。結果、この2セットの間でパフォーマンスや耐久性に違いはありませんでした」
「また、分析の一環としてWTCRのデータを24時間レースに参戦するグッドイヤー装着チームと照合してみましたが、装着車32台(TCR規定車7台を含む)のうち1台に問題が発生していました。これらの車両は通常、WTCRレースの3倍の距離、スティントで最大9周を走行します」
「私たちはつねにWTCRのチームと協力し、2022年シーズンの技術的な推奨事項に従っていることを確認しています。引き続き、全チームにセットアップの推奨事項と縁石の使用方法についてアドバイスを実施します。また、継続的な改善という私たちの哲学をサポートするため、データ収集プロセスを維持していくつもりです」
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しかしゼングー・モータースポーツから参戦するロブ・ハフ(クプラ・レオン・コンペティションTCR)も、2度目のアタック中に高速でクラッシュを喫しており、予選後にはその要因が「タイヤの振動にあった」との事実も明かされた。
「それは厄介なクラッシュで、すべてはリヤタイヤからの振動によるものだった。ラップの始めから少し振動があり、それはどんどん悪化していた。これが最後のアタックだと理解していたし、もちろん、自分のなかにいる『レーシングドライバー』はプッシュし続けなければならない。以前のラップタイムを打ち負かす必要があるからね」と振り返った元世界王者のハフ。
「と同時に、僕の肩には賢い老人も座っていたんだろう。リヤで大きな振動が発生し、高速左コーナー(メッツゲスフェルト)でリヤが急激にスナップした。そのオーバーステアは捉まえたんだけど、さらに大きなスナップが発生してかなり大きなクラッシュを引き起こした。率直に言って、タイヤの問題が何であるかを誰も理解できないようだね」


