アストンマーティン・レーシングは、TFスポーツが開始7時間あまりでリタイアに追い込まれたアクシデントの際のオンボード映像を公開した。
ドライブしていたニッキー・ティームは、ガルゲンコプフでスリップを喫する前に、路面にオイルがあったと報告している。
別のタイミングではあるが、同じコーナーでクラッシュしたのはデニス・オルセンがドライブするKCMGのポルシェ911 GT3 Rだった。
チームは原因を調査中だ。チームマネジャーのマット・ホーソンは「メカニカルトラブルではないようで、コース上に何かがあったのかもしれない」と述べている。「夜間にオイルに絡む事故があったので、それが原因かもしれない。しかし、まだ我々はオンボード映像を見ていなんだ」。
KCMGは予選でトー・リンクのトラブルが発生し、20番手以内にも入れないという波乱の週末を過ごしていた。その後、ウォームアップではアクシデントに見舞われ、外装にダメージを負っていた。レースでは度重なる衝撃のため、エンジンマウントにトラブルが発生していた。
「これらのコンタクトが原因となってトラブルを引き起こし、対応が後手に回ってしまった」とホーソン。「まさに試練の一日だった」。

兄弟対決の末にクラッシュしたマンタイ・レーシングをはじめ、多くのポルシェ勢がドラブル・アクシデントに見舞われ、トップ10に入ったポルシェ911はファルケン・モータースポーツの33号車の1台のみだった。
コンラッド・モータースポーツのランボルギーニ・ウラカンGT3は、トップ10で唯一の非ドイツ車となった。
■WECでのライバルが同ピットを共有
グリッケンハウス004Cは、3度目のニュル24時間で総合12位となった。深夜1時30分頃、フランク・マイルーはトップ10圏内を走行中に他車と接触。この事故によってディフューザーを破損したグリッケンハウスは、順位を下げた。
チームオーナーのジム・グリッケンハウスは、SCG 004CがNLSニュルブルクリンク耐久シリーズの今年残りのラウンドにファクトリーとして参戦することはないが、カスタマーの手で登場する可能性を否定していない。
なお、ふたつのWEC世界耐久選手権ハイパーカークラスに参戦するエントラントが、ニュル24時間では同じピットガレージを共有していた。グリッケンハウスと同ピットとなったのは、プジョーのLMHプログラムの責任者を務めるジャン・マルク・フィノーを含む、ステランティスの幹部たちがドライブするマシンだ。
この89号車オペル・アストラ・カップでフィノーは、ジャン・フィリップ・インパラート、カルロス・タバレス、フランソワ・ウェールズとステアリングをシェアし、総合79位、SP3クラス5位でフィニッシュしている。
ステランテスのCEOであるタバレスは、夜間に停止していたファルケン・モータースポーツの44号車ポルシェと接触してしまうというアクシデントに見舞われた。このポルシェはアウディスポーツ・チーム・カーコレクションのニコ・ミューラーによってスピンさせられたもので、ミューラーはストップ&ホールド・ペナルティを受けた。
■23万人もの観客が集まる
2019年の開催以来となった定員制限のないニュル24時間には、ファンが大挙して押し寄せた。イベント主催者のADACノルトラインは、レースウイークには23万人もの観客が集まったと発表した。
ニュル24時間の伝統に則り、観客たちはフォーメーションラップの一部でノルドシュライフェのトラックサイドに立ち、レースに臨む車両たちに声援を送った。
