そのままボトムラインからチームメイト対決を制したスアレスがステージ2を勝ち獲り、迎えたファイナルステージではこの日最多の153周をリードしたチャスティンと、その僚友スアレスに対してHMSのバイロンが喰い下がる展開に。すると残り50周を前にスアレスのシボレーはチェイス・ブリスコ(スチュワート-ハース・レーシング/フォード・マスタング)とヒットしたあと4台を巻き込むアクシデントを誘発。
そのうちインフィールドに弾き出されたクリス・ブッシャー(RFKレーシング/フォード・マスタング)は5度のバレルロールを喫し、ルーフを下にしてストップするクラッシュに見舞われる。
こうした混乱に乗じて「史上最も驚くべきカムバック」を披露したのがラーソンで、事故の修復を経たマシンで後方からスタートし、3回のピットロードペナルティ、ターン4でのスピン、ピットストールでの火災に見舞われながらも這い上がってきた王者は、残り5周の段階でブリスコのフォードとハイ&ボトムを入れ替えながらのサイド・バイ・サイドを繰り広げる。
するとラストアタックを仕掛けたブリスコがボトムへのダイブで姿勢を乱し、右フロントタイヤを破損。17回目のコーションにより延長戦突入が決定し、迎えたリスタート。
残り2周のホワイトフラッグを目前に、首位ラーソンに対しインサイドからオースティン・ディロン(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)が、そしてウォールスレスレのハイラインからチャスティンが仕掛けると、3台はフロントストレッチ到達目前でサンドイッチ状態のまま接触の憂き目となってしまう。
この混乱を抜け出たのは“フレッシュな4タイヤ”を履くハムリンで、2度目の延長リスタートで最強の弟カイルを抑え込んだ18号車FedEXカムリがそのまま413周目のトップチェッカー。「カオスのなかでこそ生存能力が試される」と語った男が、カップ戦キャリア通算48勝目を手にした。
「それはとても特別な勝利だ。これは僕の履歴書に載っていない最後の大きなひとつで、深い意味を持つ。ポールから出たとはいえ、1日を通じてあまり良いクルマではなかったが、適切なタイミングで適切な場所に身を置くことでこの勝利を掴むことができたんだ。なんて壮絶なバトルなんだ!」と、喜びを爆発させたハムリン。
併催のNASCARエクスフィニティ・シリーズ第13戦ではジョシュ・ベリー(JRモータースポーツ/シボレー・カマロ)がチームにホームトラック初勝利をもたらし、一方のNASCARキャンピング・ワールド・トラックシリーズ第10戦ではニース・モータースポーツから参戦のチャスティン(シボレー・シルバラードRST)が後続の“プッシュ”を得てシリーズ通算4勝目を獲得。
服部茂章率いるハットリ・レーシング・エンタープライゼスは、16号車タイラー・アンクラムが20位、チェイス・パーディの61号車が15位で本拠地戦を終えている。



