明けた日曜レース1はスタートこそ隣に並んだFRのBMWに蹴り出しでわずかに先行され、ヒルがターン1でホールショットを奪ったものの、複合セクションのアウト側から回り込んだクックがポジションを奪還してコントロールラインに戻ってくる。
背後ではダニエル・ロウボトム(ハルフォーズ・レーシング・ウィズ・カタクリーン/FK8型ホンダ・シビック・タイプR)に対し、オーバーテイクを仕掛けた新生モーターベース・パフォーマンスから参戦のダン・カミッシュ(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)が弾き出されグラスエリアへ。この直後を走行していた、ポイントリーダーのトム・イングラム(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8・トレードプライスカーズ.com/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)も、アクシデントを避けようと回避行動を強いられる。
ここから前の2台は3番手の王者アシュリー・サットン(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)をみるみる引き離し、クックは0.9秒のマージンでポール・トゥ・ウインを達成。2位ヒル、3位サットンの表彰台となった。
続くレース2もポール発進のクックがヒルに先行を許すと、そのままWSR製BMWのテールに張り付いたBTCホンダが、今度は最終シケインでパッシングに成功し、首位に復帰。そのまま前ヒートを再現するかのように16周後のフィニッシュを迎え、クックは記録をさらに伸ばす同地9勝目を獲得。ポディウム上には同一メンバーが並んだ。
そして週末最終のレース3は、リバースグリッド最前列から出たモーガンのBMWが、クックの僚友であるジェイソン・プラト(リッチエナジーBTCレーシング/FK8型ホンダ・シビック・タイプR)をトラクション勝負で仕留めると、今度は前2ヒートとは逆の展開で“悪童”を制圧。2番手にターキントンが続いてBMWがワン・ツーを飾り、王者サットンが意地の3戦連続3位表彰台を手にした。
「すべての勝利は特別だし、そのなかで『ダブル』を獲得することは非常に難しく、とても達成感があるよ」と、最終ヒートでも5位入賞で貴重な選手権ポイントを重ねたクック。
「それもブランズハッチとここで2週連続だなんて、信じられないほどの偉業だ。チームがどのようにクルマを開発したか、そして僕がパッケージ全体でどのように“融合”しているかを示せたね」
これで獲得ポイントを139点としてランキング首位に浮上したクックは、116点の2位サットン、112点の3位ターキントンと、王者経験者たちを大きく引き離すことに成功。続くBTCC第4戦は6月11~12日にオールトンパークで争われる。


