現在、2023年シーズンに向けて12台のBEV車両が製造されており、この発表と同時に現在のSTCCでアウディを走らせる強豪ブリンク・モータースポーツと、新興エクシオン・レーシングが早くも参戦を表明。3台体制を明言したブリンクを含め、この2チームがテスラを採用するのか、それともクプラ・レーシングとの提携で長年同社のモデルをベースに開発が続けられてきたEPWRの基幹車種を採用するのかは、まだ確認されていない。
「スカンジナビアのモータースポーツで新しい章を始めるのに際し、我々はこの日を長い間待ち続けていた」と話すのは、ブリンク・モータースポーツ代表のテッド・ブリンク。
「STCCの電化は我々の事業と将来にとって決定的なものであり、現在のSTCC TCRスカンジナビア・プログラムと並んで、目の前の移行に精力的に取り組むことを楽しみにしている」
そのBEV車両の開発とテストは、2018年に開始された『PWR001エレクトリック・プロトタイプ』から引き継がれ、今季2022年はSTCCでのレギュラーシートを退いたミカエラ-アーリン・コチュリンスキーが一貫してプロジェクトを担っている。
「今季のプロジェクトは“PWR002”になるけれど、この新しいSTCC車両はめちゃくちゃ楽しくて、運転が難しい。現在のTCRレースカーとは昼と夜ほどの違いがあるわね」と、今季も電動オフロード選手権エクストリームEに参戦中のコチュリンスキー。
「バッテリーに伴う低重心化とモーターにより瞬時に炸裂するパワーで、そのドライビング体験はシングルシーターに限りなく近いものになる。でも、ツーリングカーの素晴らしいレースはまだそこに存在しているの」と続けた彼女。
「私は長い間、電動車両でのレースの可能性を信じてきた。初日からその開発に参加できたことは素晴らしい体験だったし、2023年を本当に楽しみにしているわ!」
こうして新規定電動車両への移行をアナウンスしたSTCCだが、来季2023年も引き続きTCRスカンジナビアのシリーズを併存させ、小規模な独立チームやジュニアドライバーに活動の場とステップアップの機会を提供するという。
「TCRはSTCCの週末で重要な役割を果たしており、確立されたチームよりも少ないリソースで、ジュニアとインディペンデントの活動機会を確保する。これにより、電化されたメインクラスのSTCCにステップアップする良い機会が提供されるはずだ」と語った前出のベルン。
「また、2023年にハイブリッドを導入するTCR規定は興味深い進展の渦中にあり、これについては綿密にフォローする。それは間違いなくTCRスカンジナビアに関連するものであり、持続可能な移行のため我々の方針にもよく合致しているからね」


