併催ETRCのアクシデントで準決勝が土曜夜から日曜朝に延期される波乱もありつつ、猛暑となったスーパーファイナルは『プールFast』が最初にレースを戦い、マルタンとその僚友である“オールドルーキー”のジョバンニ・ヴェンチュリーニがスターティングゲートからの飛び出しで主導権を奪う。
その背後から追走したエクストロームは300kWから一時的な電気ブーストが利用可能になる“パワーアップ・トゥ・パス”を使用して2周目にヴェンチュリーニを捉えるも、5周勝負では首位マルタンに届かず。ここでディフェンディングチャンピオンの週末制覇は最終ヒートの結果次第に。
続いて夕刻に始まった『プールFurious』のスーパーファイナルは、首位シュペングラーのアルファをターン2で仕留めたクプラのタンベイが早々にリードを奪っていく。さらに背後では僚友ブロンクビストが気を吐き、パワーアップの割り当てを完璧に使用してフィールドを駆け回り、ベルネイ、シュペングラーを次々にオーバーテイクして2番手へと躍進する。
この結果、最終セッションはクプラがワン・ツーを決め、週末に90点を獲得したタンベイが初の“キング・オブ・ザ・ウイークエンド”を獲得。80点のエクストロームが2位に続き、そのわずか2点差でマルタンが並ぶトップ3となった。
「ファイナルはアメージングな展開になったね。昨日のミスを考えれば、今朝は相手との差を詰めるところから始めなければならなかった。チームに良い結果をもたらす必要があったし、僕も自分自身にプレッシャーをかけたよ」と振り返ったタンベイ。
「ここハンガロリンクで僕らのクルマは本当に速いと理解していたし、トラブルのないレースを心掛けながらも、力強い動きでブルーノ(・シュペングラー)をパスしなければ、と考えていた。その機会はふたつ目のコーナーでやってきたし、良い計画……プランAの方が機能してくれた。とてもうれしいし、この勢いのまま週明けにはクプラのホームレースに全力で挑むつもりだ」
そうタンベイが語るとおり、FIA ETCRの実質第3戦はバック・トゥ・バックの連戦として、スペインのハラマでこの週末6月17~19日に争われる。


