続くレース2も首位発進のイングラムが優位を崩すことなく連勝を飾り、同じく王者サットンが2位に。そして名門ウエスト・サリー・レーシングの絶対エース、ターキントンが3位のポディウムを獲得すると、迎えた最終ヒート。
オープニングラップはリバースグリッドによりエイデン・モファット(レーザー・ツールズ・レーシング/インフィニティQ50BTCC)やリッキー・コラード(TOYOTA GAZOO Racing UK/トヨタ・カローラGRスポーツ)らを従えたジェリーのBMWが隊列を率いると、その背後ではターン1をワイドに周っていたヒョンデのロイドがアクシデントの起因に。
ヘアピンに深く進入したロイドは、立ち上がりでコラードのアウト側へ出ると、直線ダウンヒルに向けて背後の集団からプッシングを受ける形に。これでマシンコントロールを失ったヒョンデは、スピンモードに陥りながら右サイドのバリアに激しく衝突。そのままバウンドしたマシンはコース上へと戻り、後続の多くのドライバーは回避行動を強いられ散り散りにトラックを外れていく。
ここで王者サットンやイングラムもダメージを負いつつ、なんとか避けることができたものの、視界を遮られたターキントンがフルラップで激突、グラスエリアを滑走したマイケル・クリース(カーストア・パワー・マックスド・レーシング/ヴォクスホール・アストラBTCC)らも巻き添えとなってしまう。
SCピリオド中に数台の車両がピットで修復を受けるなか、リスタート後もポジションを守ったジェリーが今季初優勝をマーク。スタート違反で5秒のペナルティを受けたコラードは表彰台を逃し、2位にモファット、3位クックのリザルトとなった。
一方、大破したヒョンデとBMWの救急現場から、メディカルセンターに搬送されたロイドとターキントンだが、その後にロイドのみ地元の病院に運ばれ精密なスキャン検査の結果、肺にわずかな損傷が発見された。
「胸部から異常な音が聞こえるとの診断を受け、僕はX線検査とCTスキャンを受けたけれど、最終的な診断結果はその程度で済んで非常に幸運だったと感じている」と、自身のSNSを通じて明かしたロイド。
「今はコース上で何が起こったのかについて打ちのめされている。僕自身はクルマを支配下に置いていたが、後方から押し続けられ逃げ出すことは不可能だった。サーキットのすべての医療スタッフと、みんなからのサポートのメッセージに感謝したい」
一方、全開加速中に突然の“正面衝突”に遭遇したターキントンも、首と胸に痛みを残しつつも、事故当日には自宅に帰ることができた。
「レース3の前までは本当に良い1日だった。予選9番手から4位、3位と挽回していたしね。BMWには非常に競争力があり、この得点は選手権にとってまさに必要なものだ。事故を避ける方法がなく、大きな衝撃でかなり痛いが、数日で元気になると確信しているよ」
まだエクセラー8からの正式発表はないものの、ロイドは今季残るイベントへの参戦は難しいとの観測が飛ぶなか、続くBTCC第5戦は6月25~26日にクロフトで争われる。


