決勝260周のうち96周の最多リードラップを刻んだエリオットが首位でホワイトフラッグを迎えると、その背後から引っ張られるようにチャレンジしたのがラジョイで、アウト側にマシンを振って最後のトライを試みた。しかし伏兵は、”ルーズ”となったマシンのコントロールを失ってアウト側のウォールに激突。この日最後となる13回目のコーションを引き起こし、結果的にエリオットの地元勝利を確固たるものにアシストする役目を担ってしまった。
「これまででもっとも(勝利に)近かった。確かに、それは楽しかったよ」と、レース直後ながら吹っ切れた表情を見せたラジョイ。
「最後の瞬間に動き出したが、それはうまくいかなかった。残念ながらドーソンビルでサイレンが鳴っているね(笑)。でもスパイアの仲間たちと僕を助けてくれたすべての人を誇りに思っている」と、エリオットが勝利を挙げるたびに、ファンが大騒ぎとなる地元ダイナー(飲食店)の『ドーソンビル・プール・ルーム』を引き合いに出したラジョイ。
一方、今シーズンの“台風の目”として、今回もある意味でトラブルメーカーとなったチャスティンは、開幕戦デイトナ500ウイナーのオースティン・シンドリック(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)を抑え、最終的に2位フィニッシュを成し遂げた。
「最高のクルマを手に入れておきながら、複数回のコーションを招いたのは残念だった。でも、これはスゴいことだよね」と振り返ったチャスティン。
「これほど速いクルマを持って来てくれたトラックハウスのメンバーには脱帽だ。僕らのロードクルーとピットクルーは、すべてのダメージ修理してカムバックを果たすため素晴らしい仕事をした。最後はターン2で9号車(エリオット)のインサイドに“ショット”を持っていたが、コーションとチェッカーが先に来てしまったね」
同じくアトランタで併催のNASCARエクスフィニティ・シリーズ第17戦は、無線トラブルを抱えながらもハンドサインで戦い続けたオースティン・ヒル(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)が勝利。
一方、ミドオハイオで開催されたNASCARキャンピオング・ワールド・トラック・シリーズ第15戦は、TV中継での解説者も務める31歳のパーカー・クリガーマン(ヘンダーソン・モータースポーツ/シボレー・シルバラードRST)が、今季3勝のゼイン・スミス(フロントロウ・モータースポーツ/フォードF-150)を下しての大金星を挙げる結末に。
服部茂章率いるハットリ・レーシング・エンタープライズは、16号車タイラー・アンクラム(トヨタ・タンドラTRD Pro)が21位、チェイス・パーディの61号車タンドラは13位となっている。



