「ようやくここに来れたこと、チーム全員の努力を誇りに思うよ。今季は成績が激しく乱高下し、掘ったり、引っ掻いたり、足掻きに足掻いて戦って来た。このトラックは僕にとって特別な場所だけど、こうしてポールを獲得できるとは期待していなかったよ」と明かしたトゥルーエクスJr.。
「僕らのピットクルーは今年の初めから本当に長い道のりを歩んできたし、明日は本当に彼らに頼る必要がある。でも1番前からスタートできることにワクワクしているよ」
そう語ったトゥルーエクスJr.は決勝でも好調さを維持し、日曜のレースを支配。両方のステージをスイープして172周の最多リードラップを記録していく。ルーティンピットでのリードチェンジ以外、盤石の展開で進めたトゥルーエクスJr.は最初の185周のうち160周をリードして、勢いそのまま終盤戦へと突入する。
しかし最後のコーションで“2タイヤ”を選択したリーダーに対し、カート・ブッシュ(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)、ジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)、コール・カスター(スチュワート-ハース・レーシング/フォード・マスタング)らがステイアウトを選択したことで、復帰後には11番手にまで後退することに。これにより、この日最速だった19号車をもってしても、チェッカーまでに4番手まで挽回するのが精一杯の結末となってしまった。
そのトゥルーエクスJr.に代わって終盤の主役を引き継いだのが僚友20号車のベルで、残り42周時点でエリオットの9号車をパスしたのち、205周目に最後のピットで2輪交換を済ませると、周囲よりフレッシュなタイヤグリップも活かして独走体制へ。後続に対し5秒以上のマージンを築いたベルが、カップシリーズでのキャリア通算2勝目を飾る結果となった。
「カップで優勝するのは本当に難しいね!」と、レース直後に勝利の喜びを表現したベル。「僕の観点から言えば、あの勝負が今日の最大の“山場”だった。45号車(カート)、22号車(ロガーノ)、そして9号車(エリオット)とのレースはとても楽しかったよ。僕らはみな違うラインを選んでいて、最高に爆発的な感覚だった」
「僕らは今季、勝利のすぐ近くにいたけれど、ここ最近は少し離れていったように感じていた。勝利の危機に瀕しているような気分だったし、それがここでやって来るなんて……JGRをビクトリーレーンに戻すことができて最高にハッピーさ!」
その背後では「今日は僕の努力が足りなかった、ベルにおめでとうを言いたい」と語ったエリオットが2位に続き、3位にダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)と、4位のトゥルーエクスJr.を含め6名のトヨタ陣営ドライバー全員がトップ12圏内でフィニッシュする健闘を見せた。
一方、併催のNASCARエクスフィニティ・シリーズ第18戦は、ニューハンプシャーで7戦連続となるJGR陣営の勝利を狙っていたトレヴァー・ベイン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・スープラ)を降し、ジャスティン・オルゲイアー(JRモータースポーツ/シボレー・カマロ)が今季3勝目を手にしている。


