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 同じくリンク&コーブランドを傘下に収めるジーリーグループ(吉利汽車グループ)モータースポーツ部門責任者であるアレクサンダー・ムルドゼフスキー・シェドビンは「チーム、ドライバー、商業パートナー、そしてファンにとって、長期にわたる非常に苛立たしい状況であり、次第にチャンピオンシップから追い出されたようなものだ」と、より直接的に心情を吐露した。

「解決策を見つけようとするFIAの努力には非常に感謝している。しかし残念ながら、関係者の努力を結集しても我々が安全にWTCRに参加できるようにするための満足のいく解決策は得られなかった」

 ファンや関係者に衝撃を与えたこの決定に対し、前出のWSC代表ロッティは「何の根拠もなく下された決定に驚いている」と懸念を表明した。

「WSCはつねに競技者の決定を尊重してきたが、この場合、私は何の根拠も見つけることができないでいる」と続けたロッティ。「全車レース重量の20kg削減や、週末に使用できるタイヤセット数の増加などはどう考えればいい。その重量削減により、少なくともリンク&コー03 TCRは2021年最終戦より30kg軽くなることは指摘しておく価値があるだろう」

「加えて、週末のスケジュールには2回の追加セッションが設けられ、トラックの特性に関してこれら対策の有効性を評価する機会を、すべてのエントラントに提供している。WSCは今週末、アノー・デュ・ハンに代表として赴き、FIA、プロモーター、エントラント、利害関係者への全面的な支援を約束する」

 さらにプロモーターのディスカバリー・スポーツイベントは独自の声明をリリースし、リンク&コー・シアン・レーシングの動きに「驚きと懸念」を表明した。

「イタリアで発生したタイヤの問題とその懸念に対処するため、FIA、シアン・レーシング、吉利汽車グループ・モータースポーツ、グッドイヤー、そしてWSCの間で広範な対話が行われたことを考慮すると、予想だにしない事態でした」

「シリーズを象徴するふたりのドライバーのホームレースを目前に控え、驚くべきことであるだけでなく、非常に残念なことでもあり、我々は一貫してWTCR Race of Alsace GrandEstのプロモーターやファンと、そのフラストレーションを共有しています」と綴られた。

 また土曜現地のメディア会見では、WTCRのディレクターであるレイが登壇し「2023年の復帰に向け、彼らの組織がタイヤの問題とその解決策を見つけることができると確信している」と語った。

「我々の目標は、来季彼らのWTCR復帰合意を促すため、進行中の議論を継続することだ」と続けたレイ。「シアン・レーシングは長年このシリーズに参加してきた。我々はそれを尊重する必要があり、とくにイヴァンとヤンのことを思うと、この状況はすべての関係者、プロモーターにとって『パーフェクトに最悪』の事態だ」

「彼らにとって難しい決断だったに違いないという事実を軽視する気はないが、我々は協力する必要がある。シリーズの将来に関して、WTCRが現在困難な時期を迎えていることは事実で、状況を修正するため努力を続けていく」

グッドイヤーも「一部のマシンのタイヤ温度がドイツ戦を除き、過去2年のWTCRで見られたどのレベルよりも高く、使用推奨範囲を超えていた」としている
事実上、これでヤン・エルラシェールのシリーズ連覇の芽も絶たれてしまった
第7戦の模様は追って別項でお伝えするが、これで週末の参加台数はわずか12台の状況となった

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