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 続くステージ2を10番手で走り出したライコネンは、24周目には9番手へ。残り3周でピットストップを消化する前に8番手まで上げ、ここでシャッフルされ28番手でトラックへ復帰したものの、最終ステージを22番手から再開することに。

 しかし運命の45周目。隊列に並んでシケインに進入したライコネンだったが、その前方では僚友ロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)がオースティン・ディロン(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)と絡み、その混乱を避けようとしたロリス・ヘゼマンズ(チーム・ヘイズバーグ・パワード・バイ・ローム・ブラザーズ・レーシング/フォード・マスタング)がライコネンの右側面にヒット。行き場を失った“アイスマン”は成す術なくウォールに激突し、ここでレースを終えることとなってしまった。

「クルマの前方で何が起こっていたのかは分からない」と、インフィールドケアセンターを出た後、落ち着いた様子で事故を振り返ったライコネン。

「そこには良いラインがあったし、周囲の彼らは皆、ちょっとイン側に寄せて押し込みたい雰囲気もあった。僕もタイトなラインを保ってはいたが、誰かが『前でスピンした』とクルーが伝えて来たとき、集団はさらに左に寄り、誰かが僕の側面にヒットしたんだ。その時点でできることは何もなかったよ」と続けたライコネン。

「最初に衝突したとき、手の中でホイールがスピンして僕の手首が弾かれた。何か問題がありそうな痛みだったが、家に帰ったら安静にするさ。それもゲームの一部なんだ」

 レースは残り5周のリスタートでふたたびエリオットvsラーソンの構図が整うと、ターン1に向けレイトブレーキングを敢行したラーソンが、僚友を押しやるようにランオフエリアを立ち上がり首位奪取に成功。このコンタクトでA.J.アルメンディンガー(カウリグ・レーシング/シボレー・カマロ)やジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)にも先行されたエリオットは、最終的に4位で終わる結果に。

 ふたたび接触も辞さぬ態度で今季2勝目を挙げた僚友に対しては「勝利を収めたカイルと5号車のクルー全員におめでとう」と表情を変えずに語りつつ、次戦までに「話し合うことを期待する」と語ったエリオットだが、ステージ1で自身とトップ10圏内の攻防劇を繰り広げた元F1王者ライコネンのデビュー戦に関しては「彼はとてつもないことをやってのけていた」と惜しみない賛辞を送った。

「彼は集団バトルにおける混乱の真っ只中にいて、まるで“ホーム”にいるように見えた。それは本当にクールだと思うよ」

 一方、今回のカップ戦での経験を踏まえて「次のレース機会を検討するか」と問われた“アイスマン”は、この週末の「すべてを楽しんだ」と応え「それに反対するものは何もない」と語った。

「この週末に経験したすべての出来事が良かったし、彼らはとても親切に僕をサポートしてくれた。最後は間違った場所にたどり着いたのだけが残念だったけどね」と続けた42歳のライコネン。「とくに最初のピットストップ後は、非常にスピードがあったと感じた。最初のセットでは(自身のドライビングが)タイヤに少し厳しすぎたのかもしれないね。とても楽しかった。始めより自信が持てるようになり、良いバトルができた。でも最後にこうなるのも、レースではときどきあることさ」

 これでカップシリーズのレギュラーシーズンは残り1戦となり、プレーオフ進出の16名中最後のひと枠が未確定に。その狭き門を争うブレイニーとマーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)は、ブレイニーが25ポイントのアドバンテージを保持しており、契約延長の勢いそのままに“前年度勝者”としてデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでの第26戦『コーク・ゼロシュガー400』に挑む。

ウォータースクリーンの上がる序盤戦から、みるみるポジションを上げたライコネン。一時はトップ10圏内を走行した
しかし45周目に、ロリス・ヘゼマンズ(Team Hezeberg powered by
Reaume Brothers Racing/フォード・マスタング)に弾き飛ばされウォールの餌食に
レースは残り5周のリスタートで再びエリオットvsラーソンの構図が整うと、最後は遺恨の接触決着に
ディフェンディングチャンピオン、カイル・ラーソン(Hendrick Motorsports/シボレー・カマロ)が、今季2勝目を手にした
併催されたNASCAR Camping World Truck Series第19戦も、カイル・ラーソンが勝利を飾っている

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