ライトが消えてターン1への飛び込みで首位を守ったデイビソンに対し、SVGは後方のブラウンに対するディフェンスを強いられる展開に。さらに後方ではレッドブル・アンポル・レーシングの新鋭ブロック・フィーニー(トリプルエイト・レース・エンジニアリング/ホールデン・コモドアZB)がターン9でアンドレ・ハイムガートナー(ブラッド・ジョーンズ・レーシング/ホールデン・コモドアZB)と接触し、7冠王者の後継者フィーニーは車列後方までドロップ。一方で前戦大破からの復帰戦だったハイムガートナーには15秒のタイム加算ペナルティが科されることに。
中盤には4番手のパスカーレがアンダーカットを狙って早めに義務ピットへ向かったものの、しかし17周目にはSVGとブラウンが、18周目には首位を行くデイビソンが続けてピットエントリーに飛び込むと、いずれもパスカーレの前でトラックへ復帰することに成功。デイビソン、SVG、そしてブラウンを逆転したパスカーレの順で36周のチェッカーを受け、デイビソンは自身約13年ぶりとなるサウンダウンでの勝利を飾った。
「まさに夢のような走りだった。懸命にプッシュしていたから、今はとても良い気分だ」とバサースト通算2勝を誇るデイビソン。「無線ではレースを通じてチームのみんなに大声で叫び続けてしまった。この勝利は誰にとっても、新しい時代を始める素晴らしい方法だよ」
明けた日曜はそのデイビソンとSVGが2日連続のレコード更新ラップでポールポジションを分け合うと、レース2で危なげなく首位発進を決めたSVGはチャズ・モスタート(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド/ホールデン・コモドアZB)やブラウンを従えて週末最初の勝利を手にする。
続く最終ヒートのレース3でもSVGとデイビソンが早々に飛び出してすぐにパックを引き離し、2周目に早くも首位奪取に成功したSVGがデイビソンとフィーニーを従えて今季通算16勝目を飾り、この日の午前に達成したキャリア通算43回目のポールポジションを含め、伝説の男ラウンズに並ぶシーズン記録とした。
「最初の数周は重要だった。なんて素晴らしいバトルだったんだんだろう」と、余裕の表情で振り返ったキャリア通算70勝に到達したSVG。「アントン(・デ・パスカーレ)がダメージを負ってしまったのは残念であり、僕らだけで最後まで戦うことができなかった。それでもチームにダブル表彰台をもたらしたブロック(・フィーニー)にはおめでとうを言いたい。そしてデイビソンは週末を通して本当に速かった。昨日は彼について行ったが、彼は非常にうまくドライブしていた。だからこそ今日はミラーを見ずに、ただプッシュし続けたよ」と続けたチャンピオン。
10月の『バサースト1000』を含め、残る5戦でスコット・マクラフランの持つ年間最多勝の“18”に挑む構図となったSVGだが、続くRSC第10戦は9月9~11日に今季限りでモータースポーツ開催地としての幕を降ろすと発表した隣国ニュージーランドの名物トラック、プケコヘパーク・レースウェイでのスーパースプリント戦が争われる。



