その言葉どおり予選から躍動をみせたカローラは、セッションを通じて快走を披露し、カミーロとバリオのベスト合算でいきなりの3列目6番手グリッドを獲得。前方トップ5には、ポールポジション獲得のウルティア/サパーグ組(PMOモータースポーツ/リンク&コー03 TCR)を皮切りに、ファン-アンヘル・ロッソ/リカルド・リサッティ(スクアドラ・マルティーノ/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)がコンマ3秒差でフロントロウに。
そして2列目には、初年度チャンピオンチームとして今季はホンダからクプラへスイッチした、ラファエル・レイス/ベルナルド・ラヴァー組と、アルセウ・フェルドマン/マティアス・ミラ組(W2プロGP/クプラ・レオン・コンペティションTCR)のクプラが並び、5番手のモンテネグロ/ジロラミ組(クラウン・レーシング/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が、カローラの隣からスタートする構図となった。
迎えた1時間勝負はスタートから波乱続発の展開となり、サパーグはポールからうまく逃げてリードを保ったものの、その背後には5番グリッドからジャンプアップしたジロラミが迫り、8番手発進だったグエリエリも4番手に躍進する。
そして3周目には早くもリンク&コーが首位陥落となり、ジロラミ、ロッソ、グエリエリのシビック3台がトップ3を形成。一方でクプラのレイスはワイドラインになった際にダメージを負いピットへ。続く5周目には、ホンダ同士のバトルでジロラミとロッソがコンタクトする接近戦を繰り広げ、その渦中でグエリエリが2番手へと進出し、続く6周目には“チームメイト対決”も制して早くも首位に立つ。
ときを同じくして、ポールシッターだったサパーグのリンク&コー03 TCRは右フロントリムを破損し、ピットで2周をロスして大きく後退。シビック3台の背後では4番手マティアス・ミラのクプラに続き、カローラが5番手で力走を続けていたものの、フロントサスペンションに異変を感じたカミーロはそのままガレージインし、10周目にして早くも試練のときを迎える。
14周目以降ドライバー交代のピットウインドウが開き、21周目には最後まで引っ張ったグエリエリがカサグランデにスイッチ。レース時間残り20分を切ったところで、カサグランデ、フェルドマン、モンテネグロのトップ3に変わり、その背後にはアズコナのヒョンデが浮上してくる。
25周目にはバリオがステアリングを引き継ぎ、長い修復を経たカローラがトラックに復帰。デビュー戦でのロングランデータ収集に励むことに。その一方で、首位3台はコンマ差圏内のテール・トゥ・ノーズとなり、このバトルに乗じて約3秒差からギャップを詰めて来たアズコナも加わり、最後のドラマが待ち受ける。


