その序盤戦からプレーオフ進出争いに注目が集まると、まず31周目にブレイニーが深刻な恐怖に襲われることに。エリック・ジョーンズ(ペティGMSモータースポーツ/シボレー・カマロ)やデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)と並び、エプロン側の下段を走行していたブレイニーは、ターン2でルーズになったジョーンズの影響で11号車トヨタ・カムリのリヤに追突。
背後のクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)らも巻き込む格好で、ブレイニー自身もアウト側ウォールの餌食となり、12号車フォード・マスタングの右フロントを大破することに。このアクシデントでは最終的に8台が絡む結果となり、走行不能のダメージを負ったベルに加えて、ケセロウスキーも戦列を去ることとなってしまった。
「誰かが僕の目の前で大破していた。何が起こったのか正確には分からないが、クラッシュしたマシンがたくさんいたんだ」と語ったケセロウスキー。「行き場がなく間に合うよう減速する時間がなかったから、僕たちのチームにとっては最悪の展開だ。僕らはこの週末、ひさしぶりに本当に速いレースカーを持っていた。最前戦に向けて進んでいけるようなね」
一方で、ロガーノが勝利したステージ1では5位、トヨタ艦隊が隊列を率いてカイル・ブッシュ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が獲ったステージ2では、チームメイトに続く2位通過を果たしたトゥルーエクスJr.がそれぞれ6点、9点を加算。25点あったブレイニーとの差を10点にまで縮めていく。
しかしファイナルステージ開始直後に、先頭集団のロガーノやレディックが“ビッグワン”の引き金を引くと、ロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)やウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)らを含め、ふたたび8台が絡んだビッグアクシデントが発生。ここでまさかの巻き添えとなったトゥルーエクスJr.のカムリもグラスエリアに放り出され、ブレイニー同様車体右サイドにダメージを負ってしまう。
タイミングの差こそあれ、これが決定打となり、右フロントのタイヤフェアリングを失いながらも、15位完走のブレイニーが8位フィニッシュのトゥルーエクスJr.を退け、プレーオフ進出争いに終止符を打った。
「それは間違いなく、僕がここに来る以前に望んだかたちよりもはるかにストレスが多かったが、12号車のクルーは執念でここに留まり、修復のためにあらゆる小道具を駆使してくれた。だから僕はやるしかなかった。こんな(延期での)1日の始まりを経て、そこに留まり、ゲームに留まることができた。それは僕らにとって間違いなく有益だったよ」と語ったブレイニー。
そして126周目にもリードラップで背後から姿勢を乱され続けたチェイス・ブリスコ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)が、その“犯人”でもあるアレックス・ボウマン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)を道連れに激しいクラッシュを引き起こすと、今季終盤で好調を維持したダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)らとともに、ディロンのカマロZL1もスピンを喫し、スライドしたままバックからピットレーンに滑り込んでいく。
幸い軽微なダメージで済んだディロンはリスタートに合流。残り30周時点で速さを見せていたロガーノも、エリック・ジョーンズ(ペティGMSモータースポーツ/シボレー・カマロ)と絡んで後退することに。そして最後のドラマは139周目にやってくる。



