こうしてタレントが強化されたグリッドで迎えた週末は、シーズン序盤戦を牽引したトム・イングラム(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8・TradePriceCars.com/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)のプラクティス最速で幕を明けると、続くFP2ではBTCC400戦目を迎えたゴードン・シェドン(ハルフォーズ・レーシング・ウィズ・カタクリーン/FK8型ホンダ・シビック・タイプR)が最速を記録。各セッションともFFホットハッチ勢優勢で進むと、予選ではクックのBTCホンダを退け、カミッシュのフォードが0.017秒差でポールポジションを奪っていった。

「本当に素晴らしい感覚、こんなにセンセーショナルなものだったなんて!」と、自身2020年のシルバーストン以来の最前列獲得となったカミッシュ。

「正直なところ、これがどんな感じか忘れてしまうことがあったよ。でも(前半戦の不振で)僕の選手権は終わっているし、どうアッシュ(サットンの愛称)を助けることができるかに集中しているにも関わらず、僕としては1回も頭(こうべ)を垂れたことはなかった。これは重要なことなんだ」と続けたカミッシュ。

「すべては自分の中にあり、ドライビングの方法を忘れたわけじゃないことをつねに意識した。クルマについて学び、新しいエンジニアとの関係を築くのに時間が掛かったが、ポール獲得は僕らが成し遂げてきた進歩を示している」

「ここは国内最速のトラックであり、コーナーのいくつかは6速ギアでほぼフラットアウト、マシンは大きく暴れ回る。この種のトラックではラップタイムを削り取るため、つねに限界に接し続ける必要がある。それが僕らの成し遂げたことであり、明日のレースでも再現できることを願っている」

 そう語ったカミッシュの言葉どおり、ポールシッターは混沌としたオープニングラップを最大限に活用し、レース1での“ライト・トゥ・フラッグ”を成し遂げる。

 まずフロントロウに並んだクックのシビックが出遅れると、2列目にいたサットンとFR最上位のジェイク・ヒル(MBモータースポーツ・パワード・バイ・ロキット/BMW 330e Mスポーツ)がホンダに襲い掛かる。

 スリーワイドでアウト側に弾かれたクックは、続くコーナーでサットンとのポジション争いに敗れ、グラスエリアに飛び出し大きくポジションダウン。さらにその間隙を突いたシェドンがチャンピオンのサットンを出し抜き、フォード勢を分断する2番手を奪取する。

 これ以降のポジション変動はなく、オープニングラップで2秒以上のマージンを得たカミッシュが圧巻のパフォーマンスでBTCCキャリア通算9勝目を飾った。

レース1スタートでスリーワイドの争いに敗れたジョシュ・クック(Rich Energy BTC Racing/FK8型ホンダ・シビック・タイプR)はグラベルに飛び出て大きく後退する
「予選位置を考えれば、ポイントを持ち帰れたことは重要」と、10位、10位、2位と粘りを見せたコリン・ターキントン(Team BMW/BMW 330e M-Sport)
ロリー・ブッチャー(TOYOTA GAZOO Racing UK/トヨタ・カローラGR Sport)も、6位、5位、4位と安定した成績を収めた

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