スタートでは彼らの背後2列目に並んだジャック・ヤング(プロフィカー・チーム・ハルダー/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)と、コロネルの僚友でもある選手権リーダー、フランコ・ジロラミ(コムトゥユー・PSSチーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)が勢いを見せ、1コーナーのブレーキングゾーンで激しくプレッシャーを掛けていく。しかし先頭走者の優位性を活かしたコロネルはポジションを堅守し、2番手バルダンに対しレース前半で2.5秒以上のマージンを稼いでいく。
一方の3番手争いも最初の2コーナーで決着がつき、ボディを擦り付け合うようにサイド・バイ・サイドを演じたヤングとジロラミは、この接触でホンダ・シビックのステアリング系統が損傷を受けたことで勝負アリ。16周をクルージングしたコロネルがレースをコントロールしてトップチェッカーを受け、2位バルダン、3位ジロラミの表彰台となった。
現時点で僚友ジロラミとは、残る2戦で獲得できる最大ポイントギリギリの差が開いているコロネルは、そのギャップは「WTCR欠場による差でしかない」と語り、今後2戦のチームメイトの「不幸を願う」ことでしか「逆転タイトルへの可能性は開かれないだろう」との見通しを語った。
「世界選手権のヴィラレアルのために(前戦)ノリスリンクのレースをスキップしなければならなかった。その部分での差が決定的だ」と、それ以前は19点差でジロラミをリードしていたコロネル。
「スパでは彼よりも強かったし、ポール・リカールでも彼よりずっと強かった。そしてここでも彼を上回る速さを発揮できた。でも彼はスマートで、すべてのレースで一貫している。スポンサーの最優先事項は世界選手権なのでそこに異存はないが、追加の代替ラウンドは現実的に難しいことを考慮すると、残る2戦とWTCRの最終日程確定を待つしかないだろうね」
WTCR最終戦の開催サーキットと日程は、9月初旬のFIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)で審議される予定だが、続くTCRヨーロッパ第8戦は9月23~25日にイタリア伝統の高速トラック、モンツァで開催される。

