このヒートで8位に入ったヨッヘンの息子ルーカス(チーム・ハーン・レーシング/イベコ)が、続くレース2のリバースポールを確保すると、前戦の地元ニュルを再現するかのようにリードを守り続ける。しかしここで最後の勝負に出たのが、前ヒート7位でフロントロウ発進だったアンダーソンで、最終ターン16のインサイドへ飛び込んだMANがイベコを押し出すようにホームストレートを立ち上がる。

 アンダーソンとルーカスは、フィニッシュライン上の写真判定に向かって先を争うように加速を続けると、激しいバトルを繰り広げた2台は接触し、ルーカスはグラベルに押し出される羽目に。

 なんとかコントロールを維持した22号車だったが、この間隙を突いて背後の2017年王者アダム・ラッコ(バギラー・ZMレーシング/フレートライナー)がその脇をすり抜け、ルーカスはまさかの3位チェッカーという屈辱を味わう結末となる。

 その背後では、レース1でポディウムに登壇したキス、ヨッヘン、そしてサッシャ・レンツ(SLトラックスポーツ30/MAN)が前走車を掻き分けながら三つ巴のバトルを繰り広げ、キスは4位のポジションを守ったものの、後方2台の勝負がレース後のペナルティを引き起こし、レンツはポイント圏外に沈むリザルトとなった。

 明けた日曜の予選もわずか0.086秒差でキスがレンツを破り、レース3のポールを獲得。セクター1の攻防こそレンツが一矢報いるも、最終的には2秒差でフィニッシュした王者キスが、選手権リードを59点に拡大する圧巻のレース運びを見せる。

 そして週末最終ヒートは、ふたたびリバースポールを確保したアンダーソンと、前ヒートで惜敗を喫したレンツのトラックに異変が襲い、スタート目前でアンダーソンはターボ、レンツはエンジン交換を強いられることに。

 スタート進行20分以内にグリッドに並ぶことが不可能ではないかと心配された2台だったが、クルーの獅子奮迅の働きで全14台が並んでスタートが切られる。しかしその状況から「レースではフルパワーを発揮できないのでは」と心配された2台は、シグナルオフから好調なスピードを見せつけ、後続に約5秒のマージンを築いたアンダーソンがトラブルを払拭しての今季4勝目をマーク。ルーカスを逆転したラッコが2位に入る最終結果となった。

 この週末も2勝を挙げ盤石の257点としたキスに対し、197点のハーン、184点のレンツ、そして158点のラッコが追う2022年ETRCシーズン。続く第6戦は“バック・トゥ・バック”の忙しさでベルギーに向かい、9月9~11日にゾルダーで争われる。

日曜の予選もわずか0.086秒差でキスがポールを獲得。レース3でサッシャ・レンツ(SL Trucksport 30/MAN)を抑えて週末2勝目を飾る
レース4はトラブルから2台のスタートが危ぶまれたものの、無事に全14台が並んでスタートが切られる
トラブルを乗り越え、後続に約5秒のマージンを築いたアンダーソンがトラブルを払拭しての今季4勝目をマークした

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