そのリバースグリッド採用のレース2では、テオ・カルヴェ(バギラー・ZMレーシング/フレートライナー)やジェイミー・アンダーソン(アンダーソン・レーシング/MAN)を従え、アンドレ・クルシム(ドント・タッチ・レーシング/イベコ)が最前列からスタートを切る。
しかし満員のグランドスタンドを前に地元出身のカルヴェが奮闘し、ターン1で早くも首位奪取に成功。ファンの大声援を前に隊列を率いていく。
その後のレースを通して、アンダーソンと王者キスからプレッシャーを受け続けたカルヴェだったが、11周のほとんどをノーズ・トゥ・テールで過ごした終盤、アンダーソンがミスを犯して勝負アリ。プロモーターズカップ登録のカルヴェが総合優勝を手にし、2位キス、3位アンダーソンのリザルトとなった。
明けた日曜午前のスーパーポールも、続くレース3でタイトルを決める可能性があるキスが「何もプレッシャーは感じていない」との言葉どおりに主役を演じ、アルバセテより1秒以上速いラップタイムで予選を通過。続くスーパーポール・セッションではペナルティマーカーとの接触のために最速タイムが抹消の憂き目にあったものの、セカンドベストでも2番手ハーンに対しコンマ6秒ものマージンがあったことから、セッションをふたたび最速で終える結果に。
終戦ムードが漂うなか、諦めるわけにはいかないハーンは、スタートから首位を奪って逃げの展開に持ち込もうとプッシュを続けるも、王者は「タイトル獲得には2番手で充分とは理解」していながら、数周後には帝王のイベコS-WAYレーシングトラックをキャッチアップ。最終的には約8.5秒の快適なリードで勝利を収め、2014~2015年に続き、2021~2022年の連覇による、自身4度目のシリーズ制覇を決めてみせた。


