2022年最終戦マントープパークの現地にて、EPWR規定に従って開発された『PWR002』プロトタイプのデモランを担当したジョエル・エリクソンは、元DTMドイツ・ツーリングカー選手権レギュラーの経験も踏まえ、2023年新規定車両の特性が「ドライバーに試練を与えるだろう」との見通しを語った。
「来年はドライバーにとってとても楽しいものになるだろうね。今回の走行フィールも本当にクールだったよ」と、DTM時代はBMWのファクトリー契約ドライバーとして戦ったスウェーデン出身のエリクソン。
「0-100km/hが3秒以内というのは想像を絶する速さだ。それでいてよく動き回るから、ドライブは非常に難しく困難になる。おそらく現行TCR規定モデルとはまったく異なるものになるだろう」と続けたエリクソン。
一方、開発の続く『PWR002』へのフィードバックを得たEPWR社のエミール・アクセルソンは、その言葉を受け「彼がそう言ってくれるのを聞いてうれしく思う」と応じた。
「なぜなら、それはまさにこのクルマが作られた目的そのものだからね。我々はそのパワーによりクルマが否応なくスライドし、見る側がエキサイティングであることを望んでいる。現在の自動車産業と電気革命の関連性とともに、エンターテインメントの側面も、新規定の中心的な柱のひとつなんだ」と続けたアクセルソン。
この完全電動パワートレインの採用により、2023年のカレンダーは初開催となるヘルシンボリの市街地戦で開幕し、全7戦のイベントを予定。この港湾地区を舞台としたオープニングイベントは1対1のデュエル形式で争われ、2019年以来のシリーズ復帰となるファルケンベリ戦以降は、通常のレースアクションが予定される。
また開催地未定の第3戦を経て、ゲラーローゼン、クヌットストープとおなじみのトラックへ向かい、ふたたび未定地を挟んで9月のマントープパークでフィナーレを迎える。
引き続きシリーズCEOを務めるミュッケ・ベルンは、来季も6月にシーズンを開始するという決定は「新規定車両を製作するための充分な時間を提供すること」が目的だと、改めてその意図を説明した。
「関係するすべてのチーム、パートナー、ファンにとって、初演のはるか8カ月前にカレンダーを発表できたことは大変に喜ばしい。この姿勢こそ、STCCの再成長とリスタートに向けた、長期的な取り組みの重要な部分を占めているんだ」



■STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権2023年カレンダー
ラウンド | 開催日 | 開催地 |
---|---|---|
Rd.1 | 6月17日 | ヘルシンボリ港湾地区 |
Rd.2 | 7月8~9日 | ファルケンベリ |
Rd.3 | 8月4~5日 | TBA |
Rd.4 | 8月18~19日 | ゲラーローゼン・アリーナ |
Rd.5 | 9月1~2日 | クヌットストープ |
Rd.6 | 9月8~9日 | TBA |
Rd.7 | 9月29~30日 | マントープパーク |