その直後、後続でクラッシュが発生してセーフティカー(SC)が導入されると、3周目のリスタートからバリオがチャージを開始。背後のラヴァーも絡んだ横並びの勝負が続くと、その重圧に耐え兼ねたか、7周目にはブレーキングが遅れてワイドになったポイントリーダーが首位から陥落。バリオのカローラに続き、ラヴァー、レイスのクプラもトップ3へと進出する。
その後、9周目にも2番手、3番手のポジションが入れ替わったものの、首位バリオのポジションを脅かす存在は現れず。12周を走破した『トヨタ・カローラGRS TCR』が前戦に続くレース1勝利を獲得し、ポディウムの両脇をW2プロGPのふたりが固める結果となった。
一方、その表彰台背後ではポールシッターのペッツィーニが4位に滑り込み、この瞬間、2022年のドライバーズタイトル獲得を決めることとなった。
「本当にチームには感謝しかない。彼らはすべてを正しく実行し、僕にタイトルをプレゼントしてくれた。昨年から自分が素晴らしいクルマを持っていることはわかっていたが、それ以上に、彼らは素晴らしい仕事の規律を持っており、ほとんどミスを犯さないんだ」と、チームの貢献に感謝の言葉を述べた新王者ペッツィーニ。
これでタイトル確定後の総力戦と化した今季最終ヒートのレース2は、リバースグリッド後方からスタートしたバリオのカローラと、TCR本格デビューのラヴァーがレース終盤に向け上位進出を果たす展開に。さらに9周目には、3番手争いを展開していたペッツィーニが他車からの衝突でふたたびのSCが導入される。
このリスタートから激しい首位攻防を展開したラヴァーとバリオは、14周目にミスを犯したクプラの隙を見逃さず、バリオが首位に浮上する。しかし、ここで諦めなかったラヴァーはサイド・バイ・サイドで追い縋ると、ディフェンスラインが昂じてカローラがクプラに接触。ここで漁夫の利を得たのが3番手にいたファン-アンヘル・ロッソ(スクーデリア・マルティーノ/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)で、2番手バリオに0.273秒差、3番手ラヴァーに0.885秒差と団子状態でトップチェッカーをくぐることに。
さらにレース後、スチュワードはバリオの接触行為に1秒加算のタイムペナルティを科し、トップ3はホンダ、クプラ、トヨタの最終結果となった。


