迎えたレース1は、自身2度目のポールポジションから逃げ切ったヤングが“ライト・トゥ・フラッグ”での勝利を決め、タイヤのマネジメントに注意を逸らされたコロネルが2位。そしてカエハスを仕留めた新チャンピオンが最後の表彰台を奪う結果に。
明けた日曜のリバースグリッド戦となった今季最終ヒートでも、6列目から発進したジロラミが早くも“王者の貫禄”を示し、僚友のコロネルと同イベントにゲスト招聘されたフレデリック・バービッシュ(アウディスポーツ・チームコムトゥユー/アウディRS3 LMS 2)を従え優勝を飾り、表彰台を独占したコムトゥユー・レーシングがチームのチャンピオンシップと新人賞も総なめにする結果となった。
しかし、そんな祝賀の雰囲気に覆われるはずだったパドックは、レース当日にも強豪ターゲット・コンペティションのチームSNSからリリースされた次の声明で、暗転する事態となる。
「バルセロナで開催された、2022年TCRヨーロッパのシーズン最終ラウンドの週末に、ターゲット・コンペティションは競合チームによる『冬季テストを含む、1シーズン分の車載ビデオが盗まれた』ことを知りました」
「競合他社のコムトゥユー・レーシングに所属するエンジニアは、ターゲット・コンペティションの所有するハードディスクドライブを盗み、我々の許可や認可もなしに、すべてのドライバーの機密ビデオをダウンロードし、イベント前のチーム情報としてドライバーやチーム関係者に配布し、不当な競争上の優位性を与えました」
「さらに、彼らは2022年シーズンのすべてのビデオを依然として所有しており、今後も我々の知的財産から違法な優位性を獲得し続けるべく使用することができます。我々の見解では、この非スポーツ的な行動は罰せられるべきです。有意な決定がなければ、利用可能な法的選択肢を検討する必要があります」
そう記されたステートメントに対し、レース後のコムトゥユー・レーシングも独自の声明を発して、当該記事削除の要請と名誉毀損に訴える可能性を示唆した。
「今週の日曜日午後1時に、TCRヨーロッパの2022年を争ったターゲットSRL(有限責任会社)が、彼らのInstagramで公開した声明を読みました。この声明は午後4時にも(専門サイトの)『TouringCarTimes』によっても報じられました」
「コムトゥユー・レーシングが競合他社からデータやビデオを盗んだことは一度もありませんし、それについて話すための会議を拒否したこともありません。これらの記述は純粋かつ単純に虚偽であり、中傷的です」
「我々は、これらの内容に含まれる申し立てに正式に異議を唱え、投稿や記事を直ちに削除することを要求します。また、競技者が公式に否定することを直ちに発表し、これらの点を尊重することを要求します。さもなければ、24時間以内に中傷と名誉毀損で当局に苦情を申し立てます」


