こうして右リヤをヒットされた19号車カムリは錐揉み状態でスピンしながら、進行方向とは逆向きに作業エリアに滑り込み、19番手からのリスタートを強いられることに。一方、もうひとりの競合だったデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)に先んじて5号車カマロを送り出したHMS陣営は、ここで勝利を確信。残り17周のリスタートで、背後のチャスティンやA.J.アルメンディンガー(カウリグ・レーシング/シボレー・カマロ)らを退け、すでにタイトル防衛権を失っているラーソンが今季3勝目を手にした。
「間違いなく、この1年を通して最高の走りだった。何度か壁にぶつかったが、それでもスピードを上げることができた。数週間後にはフェニックスでチームのタイトルを争うことになるし、技術的にはまだ終わりではないんだ。個人の栄誉よりチームとして勝つことは、僕にとってもっと意味があるからね」と、喜びを表現しつつも気を引き締める王者ラーソン。
その一方、19番手からのチャージで6位に滑り込んだトゥルーエクスJr.は「確かに、あの日差しの状況でフロントガラス越しに見るのは本当に難しかった。僕自身5号車(ラーソン)の進路から逸れる前に速度を落としてしまった。誰も怪我をしなかったことにホッとしている」と自らの過失を認める言葉を残した。
同じく最後のリスタートで勝利を争ったハムリンは、序盤にルーズとなった場面でボディ前後の右サイドを激しくヒットしながら、クラッシュ寸前でコントロールを取り戻していた際のダメージも影響したか、残り4周で再びウォールにタッチして失速。トゥルーエクスJr.の背後7位でレースを終えている。
併催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズの第31戦は、プレーオフ突入以降も好調を維持する23歳のノア・グラグソン(JRモータースポーツ/シボレー・カマロ)が、タイトル争いの直接的ライバルであるタイ・ギブス(ジョー・ギブス・・レーシング/トヨタGRスープラ)を降して今季8勝目を獲得。
同じく併催のNASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズの第22戦は、ゼイン・スミス(フロントロウ・モータースポーツ/フォードF-150)を撃破した28歳のタイ・マジェスティック(ソースポーツ・レーシング/トヨタ・タンドラTRD-Pro)が、プレーオフ2勝目をマーク。今季2台体制で挑んできた服部茂章率いるハットリ・レーシング・エンタープライゼスのトヨタ・タンドラTRD-Proは、16号車タイラー・アンクラムが11位、チェイス・パーディの61号車が16位となっている。


