更新日: 2022.11.04 17:06
自身3度目のチャンピオンを決めたSVGが、赤旗の市街地戦を制覇。連覇に華を添える/RSC第12戦
そんな手負いのマスタングに対しペースに優ったSVGは、12周目のターン3でレイノルズに並び掛けて揺さぶると、続く周回ではシケインを際どく処理したチャンピオンがインサイドにマシンをねじ込み、ここで実質的に勝負アリ。終盤ハンドリングの不調に苦しんだレイノルズや、チャズ・モスタート(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド/ホールデン・コモドアZB)らを従え、王者が年間新記録の20勝目を挙げると同時に、自らのシリーズ連覇を決めた。
「ここにいるみんな、チームクルーの彼らがどれだけの努力をしてきたか、そして僕らのクルマがどれほど優れているかを証明するのは非常に特別な仕事だ。何度勝利を飾っても、心の底から興奮している!」と、自身のシリーズタイトル獲得の喜びを表現したSVG。
「デビッドはスタートでとても速かったが、その後タイヤバリアを引っ掛けたようで、僕にとっては助けになった。しばらく彼とはこんなレースをしていなかったから、本当に楽しかったよ」
明けた日曜のレース2に向け、その新王者が今度はシュートアウトを制すると、スタートから4周目には10台以上が絡むマルチクラッシュが発生し、ここでレースは赤旗中断となる。
起因はジェームス・ゴールディン(プレミエアー・レーシング/ホールデン・コモドアZB)がバックストレートから突入する高速シケインのターン9で姿勢を乱したことで、インカットしたホールデンがクリッピング付近のバリアを粉砕。これに行手を塞がれた後続車両が次々と激突し、都合11台以上がダメージを負う事態に。
次々と多重クラッシュの連鎖に巻き込まれたマコーレー・ジョーンズ(ブラッド・ジョーンズ・レーシング/ホールデン・コモドアZB)の車両からは火の手が上がり、すぐさま消火活動が行われた。
右フロントホイールが横倒しとなったマスタングでピットへ帰還しようとしたジェームス・コートニー(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)を筆頭に、コース修復後のSCランから5周後のリスタートでも約半数がリタイアやピットでの修復作業を強いられるなか、ターン11で首位デイビソンに仕掛けたSVGは、すぐさまリードを奪還。終盤に再度発動したSCにも動じず、モスタートとデイビソンを従え週末完全制覇を成し遂げた。
この結果、12月初旬のアデレードでの最終戦を控え、レッドル・アンポル・レーシングもチームズタイトルを獲得。その第13戦『VALOアデレード500』は12月1~4日に、かつてはF1も開催された有名な市街地コースで争われる。