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「このクルマはまだ間違いなく『赤ん坊』だ。そのため、このセッションではいくつかのバグの解決を目的としていた。正直なところ、今日のパフォーマンスは想定内で満足いくものだった」と語るのは、HMSのコンペティション部門ヴァイス・プレジデントであるチャド・クナウス。

 そのクナウスによれば、来季のサルテを見据えたこのNext-GenカマロZL1は、シャシー、エンジン、サスペンションの各コンポーネントが大幅に更新され、サイドビューミラーも追加。エアロの面でも安定性を増すべくダイブプレーンが大型化され、フロアのスプリッターやディフューザーも「よりロバスト性を考慮した」マイルドな特性のモノに変更されたという。

 その『シボレー・カマロZL1』テストカーのステアリングを握ったのは、元ル・マン24時間総合優勝経験者でもあるマイク・ロッケンフェラーだ。彼にとっては8月29~30日のロードアトランタで、同じくGM(ゼネラルモータース)陣営のアクション・エクスプレス・レーシングとともに走らせて以来のカマロ搭乗となった。

「間違いなく大きな一歩だね。とは言いつつ、僕らは一体……どこから始めればいいんだい?(笑)」と、今季カップ戦ではゲストドライバーとしてデビューも果たし、このNext-Gen車両でキミ・ライコネンやダニール・クビアトらとも争ったロッケンフェラー。

「重量が減り、ダウンフォースが少し増えた。アトランタでの(最初の)テストとタイヤスペックは同じだが、パワーは少し増えたようだ。パドルシフトがあり、トラクションコントロールがあり、新しいダッシュ(ハイブリッドパワー)がある。つまり、基本的にはすべてが大きく異なっていた。ル・マンでのレースカーになると僕らが考えるものにかなり近づいているけれど、それでもまだ長い道のりがあるね」

 その後も配電モジュールに起因する電装系トラブルや、燃料ポンプの問題が出たものの、NASCARのCEOであるジム・フランス以下、同副会長のマイク・ヘルトン、最高執行責任者であるスティーブ・オドネルやIMSAのジョン・ドゥーナン代表らも見守るなか、ダウンフォース、タイヤ構造とコンパウンド、そして“変更されたパワートレイン”の信頼性確認など有意義なメニューを消化した。

「これは最初のステップであり、今後6カ月の間に膨大な量の反復が行われるだろう」と前出のクナウス。「ペースの観点からマージンを増やそうとしているし、重量とパフォーマンスの観点からも、クルマをより速くするためにプッシュし続けたいと思っている。その上でNext-Gen規定の枠外で、自由に革新的な挑戦の場が与えられたことは、今後の我々のクリエイティビティにも良い影響がもたらされるかもしれないね」

元ル・マン24時間総合優勝経験者でもあるマイク・ロッケンフェラーがテストを担当した
「このクルマはまだ間違いなく『赤ん坊』だ。そのため、このセッションではいくつかのバグの解決を目的としていた」と、HMSのチャド・クナウス
本戦出場時にはハイブリッド搭載も噂され、ジミー・ジョンソンらも参戦に興味を示している

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