今回は昨季のグレンのように充分な事前テストもなく「ぶっつけ本番」で挑むスケジュールとなるが、ライコネンは準備プロセスの一環としてふたたびチームのワークショップを訪問する。
「NASCARを試してみたいドライバーはたくさんいると思うよ。簡単なことではないが、将来はより多くのヨーロッパ出身者をこのスポーツに引き込む機会が増えるかもしれないね」
一方のヘンドリック・モータースポーツ(HMS)陣営は、今週末に控えたアリゾナ州フェニックスでの第4戦『ユナイテッド・レンタルズ・ワーク・ユニテッド500』と、同じくジョージア州アトランタでの第5戦『アンベター・ヘルス400』のオーバル2戦は、引き続き先週のラスベガスでステアリングを握ったジョシュ・バリーがエリオットの代役を担うものの、月末の国際パーマネントコースでは“ガレージ56”でもコーチ役を務めるテイラーが、初のカップシリーズ参戦を果たす。
ラスベガス戦直前の金曜、コロラド州でスノーボードを楽しんだ際に脛骨を骨折し、その日の夜に3時間に及ぶ手術に成功したエリオットだが、現在リハビリを受けている2020年のカップ王者は、ドライブ可能な状態へ回復するまでに少なくとも約6週間程度はかかるものと予想されている。
こうしてロード戦に向け白羽の矢が立ったテイラーは、言わずと知れたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のDPi/GT両部門を制覇した“3冠”ドライバーであり、2015年にはシボレー・コルベットC7.Rをドライブしてル・マン24時間のLMGTEプロクラス勝利も飾っている。
「我々はチェイスを100%の状態に戻すことに集中している。それに必要なだけの時間を掛け、彼が利用できる最高のリソースを確保できるようにしたい」と語るのは、チームオーナーのリック・ヘンドリック。
「ジョシュは先週末、困難な状況下でも印象的だった。チェイスが復帰できるまで彼にオーバルトラックを走らせることを楽しみにしている。そしてジョーダンはワールドクラスのロードレーサーであり、最近ではル・マン24時間に向けてガレージ56の部隊と協力している。彼はCOTAに足を踏み入れ、素晴らしい仕事をすることができるだろう」


