このニューカッスルの開幕戦では、複数のドライバーから「Gen3車両のコクピット温度が高い」ことに不満の声は挙がっていたが、規則条文ではドライバー冷却に関し「助手席の指定された取り付けポイントを利用して、規定されたシステムを搭載」するよう明文化されていた。
これに対しスポーツ審議を司るモータースポーツ・オーストラリアは声明を出し「副レースディレクターは、88号車と97号車のドライバー冷却システムに関するC16.2の技術的違反の主張を受領した。スチュワードの公聴会は終了しているが、技術部会は現在新たな審議に入った。決定は明日の朝に下される」と発表。
その宣言どおり翌朝には、前日にトリプルエイトが「両方のクルマのドライバー側にドライアイスを追加したことが判明」し、正式にレース1の失格処分が確定。結果、優勝は3位フィニッシュだったウォーターズの手に渡り、2位にチャズ・モスタート(WAU/フォード・マスタング)、3位コステッキのトップ3と変わった。
そんな空気のなかで始まった日曜予選は、2010年王者ジェームス・コートニー(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)がトップ10シュートアウトでクラッシュを喫しDNSに。決勝序盤ではデクラン・フレイザー(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)とマコーレー・ジョーンズ(ブラッド・ジョーンズ・レーシング/シボレー・カマロZL1)がバリアを破壊し、赤旗中断の波乱が続発する不穏な展開に。
それでも失意からの挽回を期す王者SVGが奮起し、宿敵モスタートとの激しいバトルで、幾度も接触を繰り返す“喧嘩上等”の走りをみせ連勝。ポール発進のレイノルズが最後のポディウムに登壇した。
波乱に満ちたGen3最初の週末を終え、槍玉に挙げられたトリプルエイトのマネージングディレクターを務める元“7冠王者”ジェイミー・ウインカップは「我々は形式や手法を問わず、ルールをこっそり回避しようとしているわけではない」と憤怒。正式な上訴の意向を表明し、公聴会は次戦のF1オーストラリアGP併催の第2戦『メルボルン400』の前週にも開かれる方向となった。
「我々のクルマはモータースポーツ責任者から承認を得て、彼らをガレージに招き入れ、承認を与えられてレースに出場している。我々がクルマに何かを追加したかどうかについて混乱はないし、クーリングがどこに搭載されたかの認識だけだ」と続けたウインカップ。
「どちらかといえば、それはマシンのパフォーマンスにとって不利であり、有利ではない。こんな裁定はクレイジー、クレイジー、クレイジーだし、スーパーカーからの扱いが信じられないよ!」



