「何年にもわたって学んだ情報に戻って、それを再び引き出すことから始めなきゃ。スポッターがいることも興味深いし、これも初めての経験さ。僕らのスポッターは非常に落ち着いた声をしていて、それは良いことだと思うし、前後の『渋滞情報』を教えてくれる。日曜(レース時の)のテンションでは役立つだろうね。僕はこれが気に入ったよ」と、初挑戦を楽しんでいる様子のバトン。
続く予選では、直近のオーバルで連勝を飾っていたバイロンが、このロードコースでも速さを維持してCOTAでの自身初ポールを獲得。これでロードアメリカとインディアナポリスに加え、シャーロットとCOTAのカップ戦開催のロードコース4箇所すべてで予選最上位を獲得した最初のドライバーとなったが、それ以上の驚きは2列目4番手に飛び込んできたHMSの助っ人テイラーだった。
「非常にエキサイティングだし、明らかに予想外だった」と、セッション開始前にNASCARカップ・デビューの機会について語ったテイラー。
「僕が今季ガレージ56に関わっていることは秘密でもなんでもないし、彼らヘンドリックのメンバーとは数カ月間、一緒に仕事をしてきた。僕が彼らにサインアップしたとき、チャド(・クナウス/HMS競技担当副社長)は『これ(代役参戦)が君の望んだ役割でないことは理解しているが、飛び込んでみて、それがどんな結果に繋がるかは未知数だろう?』って。だから今はこの機会に感謝している」と続けたテイラー。
「最高のクルマの1台でレースの週末に臨むのは、間違いなく恐ろしいことだが、同時に、こんな良いクルマに乗るチャンスを得られる人はそう多くはないからね」
こうして始まった決勝は、いつものステージ間ブレイクはなく、そのうえでテキサスの灼熱の日差しが照りつける75周の消耗戦と化し、スタート直後の左折り返しとなるターン1では、注目の“JJ”が1ラップをこなすことも叶わず多重クラッシュに巻き込まれ、ここでリタイアに追い込まれる。
その後もステージ1覇者のポール発進バイロンと、同じくステージ2を制覇したレディックが、終盤に向けコース全域を活用したサイド・バイ・サイドを繰り広げてファンを沸かせ、ふたりで都合69周のリードラップを奪っていく。



