――ところで、DTMに参戦するチームのひとつであるチーム75ベルンハルトを経営し、チーム監督でもある元ポルシェワークスドライバーのティモ・ベルンハルトは、テストの際には自らもステアリングを担うこともあるそうですが、あなたも同様に自らドライブする機会もあるのでしょうか?
MT:「アプトに所属するドライバーはみな素晴らしく、完全に信頼しているから私の出る幕なんてまったくないよ(笑)」

「このニュルで走るランボルギーニに関しても、一度もコックピットに座ったこともないくらいだ。私がドライバーとして出てこない方がよいのではないかと思う(笑)」

――アウディのカスタマーレーシングの要であるGT3マシン、そのベース車両の『R8』が生産終了となったこともあり、後継モデルがどうなるのか、揺れています。以前にカスタマーレーシング代表のクリス・ラインケ氏とのインタビューでは、“エボIII”を出す可能性も示唆していましたが、あなたの見解をお聞かせください。
MT:「アウディはGT3のカスタマーレーシング界の先陣を切って開始し、もっとも成功しているメーカーであることは間違いないし、カスタマーチームからの信頼やそのポテンシャルは世界各地で素晴らしい活躍と成績を残していることは誰もが承知している」

「しかし、この先のことも考えなければいけない時が訪れているのは間違いない。R8というベース車両をみると、いま、今季という意味ではまだ充分に他のメーカーと戦えるポテンシャルはあると思うが、他のメーカーはアップデートや新車両を続々と出しており、先を見ている。私自身が長年アウディのワークスドライバーだった身なので、アウディの内部事情はよく知っているから言えるのだが、アウディはこのままのテクノロジーで満足しているワケではなく、アウディはなにがなんでも勝ちたいというモットーのメーカーだ」

「今後、R8のさらなるアップデートを出してくるのか、果たして新しいベース車両を持ってくるのか、解決策についてなるべく早い時期にアウディとともに話し合いを持つことになるのではないだろうか」

■元DTMチャンピオントリオがニュル24時間に参戦へ

――モータースポーツディレクター1年目としての目標は?
MT:「もちろん、勝つこと。参戦初年だろうが、新しいマシンだろうが、勝つこと以外を目標にしているプロは誰もいないだろう。それが容易でないことは百も承知だが、勝利に導けるようにベストを尽くすつもりだ。

 このインタビューの後日3月22日、アウディスポーツはトムチェク、ティモ・シャイダー、マイク・ロッケンフェラーという全員がDTMチャンピオン経験を持つ元アウディワークスドライバー3名がタッグを組み、アウディスポーツ・チーム・シェラー・フェニックスから2023年のニュルブルクリンク24時間レースに参戦することを発表。トムチェクは元同僚たちとアウディR8 LMSエボIIをシェアするドライバーとして“ノルドシュライフェ”にカムバックを果たすこととなった。

左からティモ・シャイダー、マーティン・トムチェク、マイク・ロッケンフェラー 2011年DTMローンチイベント
左からティモ・シャイダー、マーティン・トムチェク、マイク・ロッケンフェラー 2011年DTMローンチイベント
アプト・スポーツラインのランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2。NLS開幕戦ではケルビン・ファン・デル・リンデとマルコ・マペッリの2名がドライブした。
アプト・スポーツラインのランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2。NLS開幕戦ではケルビン・ファン・デル・リンデとマルコ・マペッリの2名がドライブした。

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