2021年のWTCR世界ツーリングカー・カップでランキング2位に入り、翌2022年にGTワールドチャレンジに主戦場を移していたベルギー出身のバービシュにとって、今回の抜擢は“古巣復帰”となり、そのWTCR最終年で限られたプログラムながら、ゼングー・モータースポーツで奮闘したハフにとっては新天地での再出発となる。
「新たなTCRワールドツアーはある部分でWTCRの意思を受け継ぐ存在ではあるが、既存のチャンピオンシップにジョインするという完全に新しい方式を採用している」と続けたへーメルライク。
「TCRが望んでいた『カスタマーレース』のアイデアに応えるこの世界大会は、スパ・フランコルシャン、サンルイス、バサースト、そしてマカオなど、世界に名だたる有名なサーキットと非常に相性が良いだろう」
「我々は公式のアウディスポーツカラーを採用し、引き続き第2世代アウディRS3 LMSで過去2年間に得た経験を利用し、チームとドライバーのタイトルを目指したいと考えている」
そのコムトゥユー・レーシングは、同時にTCRヨーロッパに向けた体制も明らかにし、昨季ランキング2位を獲得したおなじみトム・コロネルを筆頭に、インディペンデントに相当するダイヤモンド・トロフィー受賞者のヴィクトール・ダビドフスキーの残留に加え、すでにアナウンス済みだったラリークロス界の新鋭コービー・パウエルの起用と、経験豊富なジョン・フィリピの移籍加入をアナウンスした。
「TCRヨーロッパも依然として素晴らしいチャンピオンシップであり、2023年も確固たるカレンダーと非常に強力な競争相手により、さらに高いレベルの勝負が繰り広げられるだろう」と続けた前出のへーメルライク。
「2022年に我々が獲得したチーム、ドライバー、ダイヤモンド・トロフィー、そしてルーキー・アワードの4つのタイトルを防衛するため、世界戦とは異なり4名のドライバーで挑むことにした」
同じくチームを率いるジャン-ミシェル・ベアト代表も「コムトゥユー・レーシングはつねに挑戦を楽しんできた」と、その決断の背景を明かす。
「すべての成果は、次の挑戦への第一歩に過ぎない。我々の目の前にあるシーズンは、チームの歴史の中でもっとも激しいものになるだろうと確信している」
昨季ともにタイトルを獲得したネストールの実弟、フランコ・ジロラミはチーム離脱が確定したが、チームは引き続きアウディRS3 LMS 2を走らせ、スケジュールに組み込まれた3戦のTCRワールドツアー併催イベントでは、バービシュとハフを加えた6台体制の大所帯で挑むことになる。

