土曜現地14時20分開始のレース1は、12周のレースを通じてスターティングポジションの優位を維持したヒョンデ陣営がそのままチェッカー。複数回のタイヤロックアップで僚友に挑戦した“最後のWTCR王者”アズコナを退け、ミケリスが初代TCRワールドツアーウイナーに輝くことに。
一方で、4台体制が仇となったか。リンク&コー・シアン・レーシングはオープニングラップでヤン・エルラシェール(リンク&コー03 TCR)とウルティアがターン2で接触。後者はダメージが大きくピットでレースを終えることとなってしまった。
この余波で進路を塞がれる形になったのがコロネルで、僚友のフィリピとパウエルに先行される展開に。運が味方したとは言え、これがデビュー戦の新鋭パウエルは大先輩に先んじてヨーロッパ・シリーズ初戦を2位、総合10位で終える大健闘を見せた。
明けた日曜現地11時30分開始のレース2は、予選トップ10リバースの好機を活かしたウルティアが、前日の鬱憤を晴らすかのような快走を披露。スタートで隣にいたパウエルを牽制して僚友ビョークの2番手進出をサポートすると、ここでルーキーはジロラミらとの多重クラッシュの誘因となり、最初のSCが発動する。
パウエルのアウディが回収され6周目に再開したレースは、リペアが不調に終わったシビックにより再度のSCが発動するも、14周に延長されたなかで「不毛な争いを避けた」リンク&コー・シアン・レーシングがワン・ツー体制でゴールラインへ。
ウルティア、ビョークに続いてバービッシュのアウディが表彰台に立ち、ヨーロッパ組ではコロネルが世界戦組のハフに先んじて総合5位でフィニッシュ。フィリピが総合9位に続き、ここでもコムトゥユー・レーシングがワン・ツーを飾る結果となった。
これでTCRワールドツアーはミケリス、アズコナのヒョンデ・モータースポーツのカスタマーレーシング部門を代表するふたりが、そしてヨーロッパではコロネルとフィリピが同点発進を決める展開に。続く第2戦は前者が5月27~28日のベルギーはスパ・フランコルシャンで、後者が5月13~14日のフランス・ポー市街地でナイトレースの開催を予定している。

