するとオープニングラップの最終コーナーではレイノルズのドアが開いているのを見逃さなかったコステッキが華麗にパッシング。これでエレバス陣営が早くもワン・ツー体制を築き、続くラップではアントン・デ・パスカーレ(ディック・ジョンソン・レーシング/フォード・マスタング)も同様の動きを見せたが、これが現状のチームの勢いか。レイノルズのマスタングをグラベルに押し出す結果となり、タイム加算ペナルティを課されてしまう。
この接触劇により、3番手には2010年王者ジェームス・コートニー(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)が上がり、義務ピット後もマージンを維持したコカ・コーラ・バイ・エレバス艦隊がレースを制圧。後続の僚友に6秒以上のギャップを築いたブラウンは実に自身2021年以来40戦ぶりの勝利を収め、2位コステッキとともにチームへ初のワン・ツーをもたらした。
「今日はマジで速いクルマだった。ただただ懸命にドライブを続けたし、あまりにもプッシュしすぎていたから、タイヤと燃料の節約が不充分じゃないかと心配にもなったけど、本当に本当に速いクルマだった」と、TCR上陸初年度にタイトルを勝ち獲っているブラウン。
「この速さは……僕とブロディにとってかなり非現実的だ。ワン・ツーを達成できたのは本当にクールだし、ここ最近はエレバスにとって初めてのことがたくさん起こっているね!」
一方、前日の5位に続いて3位表彰台を獲得したコートニーは、これでキャリア通算の連続表彰台獲得年数を、シリーズの英雄マーク・スカイフに並ぶ18年としている。
「恐ろしいぐらい良いシーズンスタートだ。開幕からここまでクルマはつねに速かったけど、グランプリでは(アクシデントで)表彰台が逃げていった。腹立たしかったね。でもここで取り返すようにそれを入手できたのは素晴らしいことさ」と続けたコートニー。これで22年連続のクレイグ・ラウンズを見据え、早くも来季は「まずスカイフの記録を打破する」と意気込む。
「僕は今、史上最高のスカイフと並ぶ連続表彰台記録を獲得している。つまり、ラウンズ、コートニー、スカイフの並びだ! これはかなり素晴らしい成果だよ。来年も表彰台を獲得しなければならないし、彼の前に立てれば最高だね」
続いて週末最後のレース3は、ポールシッターのフィーニーがスタートでポジションを堅持すると、若さに似合わぬ落ち着きでレースを走破し、背後のエレバス陣営を寄せ付けずライト・トゥ・フラッグで完勝。今季後半の耐久カップ戦では、シリーズのレジェンドであり現在は陣営内のマネージングディレクターを務める“セブン・タイムス・チャンピオン”ことジェイミー・ウインカップとのペア継続も発表された新鋭が、早くも今季2勝目を手にした。
「最初の5周で『ああ、僕らはかなり良いクルマを手に入れた』と思った。ドライブは楽しかったし、できる限りタイヤを管理することができて、最終的にはスピードを緩められた。それは最高の経験だったよ」と、余裕のコメントも残したフィーニー。
これでランキング首位コステッキに続き、チャズ・モスタート(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド/フォード・マスタング)、SVG、ブラウン、そしてフィーニーのトップ5と変わった2023年のRSCシーズン。続く第4戦『ネッド・ウイスキー・タスマニア・スーパースプリント』は、南部タスマニア島を舞台に5月19~21日に開催される。



