「これは本当に理にかなっているクラブの基本的な部分であり、僕らはそうする必要があった。トヨタとのこの深いパートナーシップと提携は、彼らを知り、彼らの情熱と僕らの核となる価値観が、真にどの程度一致しているか。そしてチーム全員が今後何年にもわたって集中して取り組むことを確認するものだ。今回の交渉は短期間でまとまったし、お互いにそのコミットメントを理解する楽しい期間だったよ」
こうして始まった週末は、そのニュースを祝うかのようにトヨタ陣営のエース格、ハムリンが公式練習で最速を記録。予選こそウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)とラーソンにフロントロウを占拠されるも、おなじみ11号車のフェデックス・エクスプレス・カムリは僚友マーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)らを引き連れステージ1を制覇していく。
一方のバイロンとラーソンのHMS艦隊は、レースを通じて「全体にルーズ(グリップがない)」な症状に悩まされ、ポールシッターはウォールへの“ブラッシュ”などでトラックポジションを失い、早い段階でラップダウンからのカムバックを強いられる。
ラーソンも決勝最多の85周をリードしたものの、序盤には他車からのヒットでスピンオフも経験。そして一時は隊列をともに牽引したチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)らが後退し、ハムリンとの一騎打ちになった最後の14周でも「とにかく僕のクルマはルーズだった」と、最後まで有効な対策が取れなかったと明かした。
「できる限りのことをしようとしていたが、最後(ターン2)で本当にクルマを抑えようがなかった。最終的に彼(ハムリン)の方が今日は一枚上手だったということ。リプレイ映像はまだ見ていないけど、明らかに彼は“誰もがそうするように”サイドドラフトを積極的に狙っていた。僕はなんども接触されているように感じたよ」とラーソン。
一方、最後の神経戦で何度もシボレーの5号車に仕掛けたハムリンは、ホワイトフラッグの最終ラップでラーソンよりわずかに低いレーンを選択。バックストレッチで急接近してプレッシャーを掛けると、わずかにカマロZL1の左後方にヒット。これで姿勢を乱し、ウォールにマシンを擦りつけ失速したラーソンを逆転し、ハムリンが今季初勝利とカップ通算49勝目を獲得した。
「このフェデックスのチーム全体をとても誇りに思っている! 最後は彼(ラーソン)の背後でポジションを取り、シボレーのサイドドラフトを活用しようとしたが、カマロの左後部をクリップしたようだ。でも彼が少なくとも、レースを終えることができてよかったよ」と、その感触を明かしたカンザス通算4勝目のハムリン。
「そしてジョー・ギブス・レーシングが400勝を達成した。彼らにとっても、まさに素晴らしい成果さ!」
併催のNASCARクラフツマン・トラック・シリーズ第8戦『ヒート・オブ・アメリカ200』は、グラント・エンフィンガー(GMSレーシング/シボレー・シルバラードRST)がカンザス初制覇で通算8勝目をマーク。そして服部茂章率いるハットリ・レーシング・エンタープライズ(HRE)の16号車タイラー・アンクラム(トヨタ・タンドラTRDプロ)は、23番手から挽回を見せトップ10フィニッシュを果たしている。


