これで最後の勝負はステージ3を通じて先頭を牽引してきたチャスティンとラーソンに絞られ、残り7周のリスタートへ。ここでインサイドを選択していたチャスティンはターン1に猛然と飛び込むと、ダーリントン特有のバンクはシボレーを上段へと押し流し、ラーソンの進路を塞ぐ形でクラッシュ。
そのままバックストレッチまでスロットルを緩めず1号車を押し続けたラーソンを含め「ここでフェンスに道連れにするなんて、何の意味があるんだ!」と激怒するHMS陣営に対し、チャスティンは「ターン1にフルコミットした」と語り、自身のアグレッシブさを擁護する言葉を残した。
「本当にタイトだったし、僕は僕自身に集中していた」と続けたチャスティン。
「彼のラインを絞りたかったし、押し上げたかった。そして僕もターンとラインに神経を注いでいたんだ。僕らは1日中、こうして行ったり来たりしながら競争を繰り広げている。だからこそ、絶対にあそこで引くことはできなかったんだ」
残り2周のオーバータイム・リスタートで首位を譲り受けたバイロンに対し、その手前281周目でフロントエンドにダメージを負っていたケビン・ハーヴィック(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)に追撃の余力はなく。そのままバイロンが今季カップシリーズ初の3回目のウイナーとなった。
「そうだね、本当にすごいことだよ」と予想外の結末を喜んだバイロン。
「僕の祖父は木曜日に亡くなったんだ。家族がここにいてくれたらいいのにと思うよ。正直なところ物事にはうまくいく方法があって、今日はそのとおりになった。確かにこれは予想していなかったし、最高のステージ3ではなかったけれど、僕たちはただ戦い続けただけで、状況は少しずつ好転していったんだ」
土曜に開催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズ第11戦『Shriners Children’s 200』は、ターン4出口で壁に跳ね返り、ゴールライン手前100ヤードのところでジョン-ハンター・ネメチェク(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタGRスープラ)を逆転したカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が、文字どおりの“ダーリントン・ストライプ”を引っ提げて勝利。
同じく併催のNASCARクラフツマン・トラック・シリーズ第9戦『バックルアップ・サウスカロライナ200』は、クリスチャン・エッケス(マカナリー・-ヒルゲマン・レーシング/シボレー・シルバラードRST)が待望の今季2勝目をマーク。服部茂章率いるハットリ・レーシング・エンタープライズ(HRE)、16号車タイラー・アンクラム(トヨタ・タンドラTRD-Pro)は終盤タイヤダメージを抱え14位に終わっている。



