「我々はアンドリューを通じてRCRと多少のつながりを持っている。彼はカイル・ブッシュのクルマのエンジニアのひとりだからね。明らかに、ロードコースの内容は彼らにとって非常に重要だ……もし、ロードコースの攻略で彼らを助けることができれば、それはドライバーにとってもメリットになるだろうからね」と続けたライアン。
「それが我々の検討方法であり、ドライバーが右コーナーと左コーナーを繰り返す際に、何か良き方法を提示することができるかどうか、それを確認するために現地に向かう。NASCARではレースに勝つだけでシリーズに参加できる。だから“ロードコースの者”にとっては、本当に重要な点なんだ……」
こうして始まった週末は、現シリーズリーダーでかつてはNASCARヘの挑戦を夢見て武者修行に出た経験を持つブロディ・コステッキ(エレバス・モータースポーツ/シボレー・カマロZL1)が、FP1とFP2で最速タイムを叩き出す。
所属先が北米大陸への興味を公式に表明しただけに、自身の勢いを予選まで持ち越したかったコステッキだったが、そこへ立ちはだかったのが僚友ブラウンで、予選スーパーポールで4番手に終わったチームメイトを出し抜き、まずはブラウンが土曜レース1に向けたポールポジションを手にした。
「ポールを獲得できたのは素晴らしいことだった。ピットレーンではいくつかの駆け引きが行われていたからね」と、コース上での位置取りと“トウ合戦”を念頭に語ったブラウン。
「僕らはフォードの1台を巻き込もうとしていたが、彼らはプッシュバックしていて、そこに付き合ったら2周のアタックは間に合わないと思った。そこに幸運にも別のシボレー1台が登場し、牽いてもらうことができた。もうコクピットのなかで本当に有頂天だったよ(笑)」
迎えた42周勝負のスプリント戦は、タイトル候補のコステッキがレース序盤に災難に見舞われ、2番手争いの渦中でオーバーテイクを決めたジャック・ルブローク(マット・ストーン・レーシング/シボレー・カマロZL1)にリヤからプッシュされ、ヘアピン進入でキャメロン・ウォーターズ(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)とヒット。これでステアリング系にダメージを負い、立ち上がりアウト側で失速する事態に。
その余波で、後続からヘアピンをクリアしてきたチャズ・モスタート(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド/フォード・マスタング)とフィーニーも行き場を失ってクラッシュを喫し、ランキング2位だったモスタートもここでレースを終えてしまう。


