更新日: 2023.05.25 23:10
新型スバルWRX投入のSTI、ニュル24時間クラス2位フィニッシュ。4時間半の修復乗り越え完走果たす
その後マシンは夜のニュルブルクリンクを順調に走行し76周を完了、総合順位を51位まで上げていた。夜が明けた現地6時ごろ、残り2周でピットインを控えていたヴァン・ダム駆るスバルWRXに異変が生じる。突然「何かに引っ張られるように」挙動を乱し、直後に左リヤをウォールにヒットさせてしまう。ヴァン・ダムはダメージを負ったマシンをスロー走行でピットへと戻した。
チームは、マシンの不可解な挙動の原因をスタビライザーバーを取り付けているブラケットの取り付けボルトの欠損と特定し、サスペンションパーツの交換作業を行う。しかしレース開始から14時間を経過していたマシンは、サスペンションパーツに加えてエンジンやデフ、ステアリングラックとタイロッド部分にも不具合が出ていることが判明する。チームは長い修復作業を覚悟し、トラブルが起きているパーツの総交換を敢行した。
その後、チームは4時間半の修復作業を行い、11時過ぎにマシンをコースへと送り出すことに成功した。ふたたびスバルWRXに乗り込んだヴァン・ダムは総合101番手からスパートをかけていく。続いてマシンに乗り込んだシュリックのアウトラップには、タイヤパンクチャーが発生し再ピットインを余儀なくされるも、シュリックは総合順位を上げるため力走を披露。88番手まで順位を上げることに成功する。
最終スティントはヴァン・ダムが担当し、一時は15周離されたSP4Tトップの車両を追い上げていったが逆転までは叶わず。SUBARU WRX NBR CHALLENGE 2023は総合80位/SP4Tクラス2位でチェッカーを受けた。
「新エンジン、新車での出場となりましたが、トラブルも多く、スバルファンの皆さまのご期待どおりの結果にはなりませんでした」と語るのは、スバルチームの辰己英治総監督。
「改めてニュルブルクリンクは難しいレースだということを痛感しました。それでもドライバーたちやメカニック、エンジニアの皆が全力で対処してくれ、最後にチェッカーフラッグを受けられたことには感謝します」