「前回のレース以来、テスト中にクルマは非常に大きな進歩を遂げており、それをウイントンで披露したいと全員が熱望していた。そのため明らかに理想的な状況ではないね」と語るのは、チーム代表のアシュリー・シュワード。
「ただし、グローバルサプライチェーンの現状における物流の課題を、我々としても充分に認識している。あらゆる選択肢を使い果たした現在の状況において、ジーリーグループ・モータースポーツから受けたサポートに感謝している。我々は今週末も前進し続け、次のラウンドでリンク&コーに戻ることを楽しみにしている」
こうして始まった週末は、世界的DJのカール・コックス率いるカール・コックス・モータースポーツ所属のクレメンテが、新車での好調なスタートを維持して予選で印象的な走りを披露。ラップレコードを更新してのポールポジションを射止める。
2回目の週末を迎えたクプラはレース1でも強さを発揮し、後方から迫る2台のヒョンデを封じ込めての“ライト・トゥ・フラッグ”を達成。2位のスウィーニーに続き、最後の最後でジョシュ・バカン(HMOカスタマー・レーシング/ヒョンデ・エラントラN TCR)を逆転したザック・ソーター(チーム・ソーター・モータースポーツ/アウディRS3 LMS 2)が表彰台に上がった。
明けた日曜午前開催のレース2では、前日に予選ポジションより順位を落とし、10位フィニッシュとなっていたオリファントがリバースグリッドの好機を活用。最前列発進を決めたアルファは、オープニングで初参戦クレイ・リチャーズ(メルボルン・パフォーマンスセンター/アウディRS3 LMS)の挑戦を退けると、そのまま18周をマネジメント。レースウイーク直前に苦渋の決断を強いられたイギリス出身ドライバーは、旧型モデルで望外のシリーズ初勝利を手にした。
続く最終ヒートのレース3は、首位を行くスウィーニーとバカンのヒョンデ艦隊の背後で激しい鍔迫り合いが演じられ、クラッチトラブルからの修復を経て戦列復帰したクレメンテのクプラが、バトルの余波でソーターのアウディと絡み、サーキット左サイドのコンクリート壁に衝突。豪州初上陸から連勝を飾った新型モデルがクラッシュの結末を迎えてしまう。
これで楽な展開となったスウィーニーが大差をつけて勝利を収め、約20秒後方でバカン、ソーターが続け様にフィニッシュラインを通過する結果となった。続くTCRオーストラリアの第5戦は、8月11~13日にクイーンズランド・レースウェイで開催される。


